STI社長に直球質問!「スバルSTI」の現在と未来

スバルやトヨタとの関係は?電動化対応は?

――今年のニュルブルクリンク24時間レースの不参加発表が、トヨタと比べて遅かった。

正直なところ、ギリギリまで待とうと思いながら出場する可能性を探った。STIに期待されているお客様も大勢いる。ただ、他の日系チームが不参加を表明する中、冷静になってよくよく考えると参加は難しい。ここは悔しいが決断した。

――コロナ禍での経営状況によっては、STIとしてモータースポーツからの撤退もありうるのか? 

インタビューに応えてくれた平岡泰雄社長。2019年4月よりSTI代表取締役社長を務める(筆者撮影)

モータースポーツから撤退したら、STIになにが残るか。STIはモータースポーツありきではないが、モータースポーツはSTIのDNAだ。挑戦する姿を皆さんにお示しすることが大事だ。

(スバル本体を含めた)今後の経営状況による予算の問題は当然あるが、少なくともニュル24時間はSTI自前プロジェクトであり、来年以降ワクチンなどの状況を十分に踏まえたうえで、参戦はなんとしても続ける。

――改めて、現在のSTIとスバル本社との関係を教えてほしい。

STIはスバルの100%子会社だ。両社それぞれに(経営としての)ポートフォリオがあるのは当然で、スバルと事業全体ついて協議している。STIはレース参戦における技術的なノウハウや人材が豊富、スバルには先進安全技術があるなど、お互いの特長は違う。そのうえで、相互で出向者がいる。

スバルとSTI、そしてトヨタとの関係

――「S209」などのコンプリートカーと1グレードとして存在する「STI Sport」との違いや関係は?

コンプリートカーは、スバルの製造ラインで生産したものをSTIで買い取り、独自に開発を行うものだ。ただし、例えばシートを変更することが決まっている場合などは、生産ラインでダミーのシートを装着するなどで対応している。

STIとしての外装品などの装着は、スバル関連企業の桐生工業(群馬県桐生市)で行う。一方のSTI Sportは、スバルとの共同開発だ。主に、足回りをSTIが担当し、STIならではの走りを作る。生産は通常のラインで完結する。

――「BRZ/86」について、現状でのトヨタとSTIの関係は?

パフォーマンスパーツでは、製品によってはTRD(などのトヨタ関連企業や部門)から提供される場合がある。だが、(開発や事業として)STIがトヨタと直接向き合うことはない。

――1月に行われたSUBARU技術ミーティングでは、「次の時代のSUBARUらしさ」の説明があったが、これからのSTIはどう進めていくのか?

前段としてお話ししたいのは、市場調査についてだ。2019年に広告代理店を通じてSTIに対するイメージを調べ、それをもとに中期経営計画を練った。その中でわかったのは、STIに非常に興味があるが、遠巻きにしている方がいること。

またSTIを強く支持される方と、その反対の方も当然いること。そして、「STIのクルマは自分では操れるものではない」という認識の方が大勢いたことがわかった。今後、(ブランド戦略として)視野を広げていく必要性を感じた。

次ページ電動化の時代にどう対応する?
自動車最前線の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 今見るべきネット配信番組
  • コロナ後を生き抜く
  • 若者のための経済学
  • 憧れから一歩前へ! キャンピングカーのある日常
トレンドライブラリーAD
人気の動画
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
渋谷駅、谷底に広がる超難解なダンジョンの今
渋谷駅、谷底に広がる超難解なダンジョンの今
「話が伝わらない人」と伝わる人の決定的な差
「話が伝わらない人」と伝わる人の決定的な差
「説得力のある話ができる人」と「説得力のない人」の差
「説得力のある話ができる人」と「説得力のない人」の差
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
激動相場に勝つ!<br>株の道場

6月18日発売の『会社四季報』夏号が予想する今期業績は増収増益。利益回復に支えられる株価が上値を追う展開になるか注目です。本特集で株価が動くポイントを『会社四季報』の元編集長が解説。銘柄選びの方法を示します。

東洋経済education×ICT