STI社長に直球質問!「スバルSTI」の現在と未来 スバルやトヨタとの関係は?電動化対応は?

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――具体的にどうするか、計画はあるのか?

まず、(企画展でも展示した)STIのフィロソフィーを多くの方にわかっていただきたい。

例えば、コンプリートカーのSシリーズでも「長距離を乗って疲れない」ということを。そのうえで日本市場向けでは、車種展開を増やしていきたい。

東京オートサロン2020で初公開された「レヴォーグ STI Sport」のプロトタイプ(写真:SUBARU)

(直近の)「WRX S4 STI Sport♯」によるWRX、BRZ、そして新型「レヴォーグ」以外にも増やしたい。

アメリカ市場では、STIがまだグレードとしての認識なので、S209を筆頭にSTIをスバル最高峰のブランドとして認知度を高めていきたい。

――価格帯としてさらに高額なモデルもありうるのか?

ありうるが、もう少し時間をかけてやっていく。(少なくとも)S209の延長戦は、やめるつもりはない。

――電動化についてどう見ているか? 平岡社長は2000年代後半、スバルでエンジン開発部長からEV推進室長を担当されたご経験もあるが。

電動化は必然だ。電動化の波をいつまでも避けていられない。モータースポーツの世界では(F1を筆頭に)電動化が先行している。STIとしても、電動化の先行開発をやらなければならないと思っている。電動系パーツの独自開発は(予算や開発効率的にも)難しいので、パートナーと組むことになるだろう。

――将来的にはEVのSTIも考えられる?

だいぶ先になると思うが……。そもそもEV需要は高額なスーパースポーツでの可能性が高いと、(実際のEV開発を通じて)考えてきた。そのうえで、EVにおける課題は今でも発電などインフラ側に大きいと思う。

――どのような形にしろ、STIはスバルを代表するブランドとしてあり続ける?

STIとして最大の意義は、スバルブランド全体を引き上げていくことにある。その手段の1つが、現時点では特装車(コンプリートカー)であり、パフォーマンスパーツであり、モータースポーツだ。

――最後に「With コロナ」の時代、STIファンやスバルファンに伝えたいことは?

まず、医療関係者や物流関係者の皆さんの日々の努力に、本当に感謝している。こういう時代は、ファンの皆さんの気持ちがどうしても沈みがちになるが、モータースポーツや新しいグッズなど、少しでも気持ちが明るくなる話題をお届けできるよう頑張っていくので、引き続き応援してほしい。

EJエンジンの終焉とともに新たな時代へ

EJエンジンの歴史が幕を閉じ、そしてSTIは新たなるステージに挑む。STIギャラリーでの企画展と常設展示は、その思いを具現化したものの1つだ。現時点では開催期間を明確にしていないが、これまでは、半年から1年程度でギャラリー展示内容を変更してきた。STIについて深く知りたい方にはぜひ、ご体感をお勧めする。

桃田 健史 ジャーナリスト

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ももた けんじ / Kenji Momota

桐蔭学園中学校・高等学校、東海大学工学部動力機械工学科卒業。
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、EV等の車両電動化、そして情報通信のテレマティクス。

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