SUBARU(スバル)「WRX S4」。もともとは「インプレッサ」の高性能グレードだったWRXが独立して、2014年から販売されている4ドアセダンだ。スバル特有の水平対向4気筒ターボエンジンを搭載し、300馬力を超えるハイパワーなスポーツモデルでもある。
そのWRX S4に9月21日、新グレードが設定された。ステーションワゴン「レヴォーグ」や、スポーツカー「BRZ」で先行して設定されている「STIスポーツ」だ。専用アルミホイールやレカロ社製のフロントシートなど、高級感とスポーティさを高めた専用の内外装品に加えて、足回りには専用チューニングされたビルシュタイン製のダンパーなどを採用したモデルである。WRX S4の最上級グレードとなり、車両本体価格は約409万円である。
STI。クルマに詳しい人でなければ、何のことかまったくわからないかもしれない。その正体は、スバルテクニカインターナショナルという組織だ。1988年、スバルのモータースポーツ活動を統括するために設立された富士重工業(2017年4月からSUBARU)の子会社で、モータースポーツ用ベース車両や競技専用部品の供給、チューニング技術を応用した特別仕様車の企画・開発などを行っている。
STIスポーツを、WRX S4に設定した理由
そんなSTIスポーツを、4ドアセダンのWRX S4になぜ設定したのか。それは、世界的に高性能4ドアセダンの需要が堅実であり、またプラミアムブランドとしてメーカーを象徴する存在となるからではないかと筆者は考えている。
たとえば、ドイツ車では、メルセデス・ベンツ「Cクラス」に、メルセデスの中でも特に高性能なモデルに付けられるスポーツ・レース系ブランドである「AMG」を冠する「C43」や「C63」がある。BMW「3シリーズ」には、BMWグループで、レースやモータースポーツを研究開発するBMW M社が開発を担当するスポーツモデルの「M3」が、アウディA4には、「S4」がある。
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