金沢発ゴーゴーカレーが「商社」を目指す事情 コロナで需要激減の居酒屋にカレールー提供

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一般的な外食企業は、フランチャイズ(FC)の形態で多店舗展開することが多い。ゴーゴーカレーも、「ゴーゴーカレー」の看板を掲げて営業する店舗とFC契約を結び、ルーを卸売りすると同時に加盟店からロイヤルティー(加盟店手数料)を受け取る。初期投資である店舗の内装費や研修費、保証金などは加盟店側が負担する。

一方、プロデュース店舗だと、店舗側が負担するのはルーなどの食材費のみ。初期投資も低コストで済み、人気のあるゴーゴーカレーからルーの提供を受けていることをアピールできる。

フランチャイズ方式で多店舗展開した場合には、FC店舗への綿密な指導・対応に人員を割く必要があるが、プロデュース店舗だとこうした手間も省ける。ただ、一般的なFCとは違い、安定したロイヤルティー収入を見込めないため、収入確保のために卸先を拡大させる必要がある。

店内飲食売り上げはコロナで5割減

宮森代表は、「経営に苦しんだ居酒屋がコロナ禍でこぞってランチに手を出したものの、うまく行っている店はそう多くない。われわれはブランドが定着しているため、安定して売り上げを伸ばせる。カレーを提供してほしいという依頼は足元でも数十件ある」と明かす。

ココイチもFC向けに食材の卸売りを行っているが、ゴーゴーカレーのように外部への販売はあまり多くない。

ゴーゴーカレーの宮森宏和代表は「カレーの専門商社へ業態を変える」と意気込む(編集部撮影)

プロデュース店舗は飲食店以外にも、高速道路のサービスエリアやテーマパーク、スキー場、社員食堂、医療法人、カラオケチェーンなど多岐にわたる。現状600店舗超のプロデュース店舗を、中期的には1000店にまで広げる方針だ。

そんなゴーゴーカレーも、コロナ禍においてはやや苦戦気味だ。4~5月の店内飲食事業の売り上げは前年同期比で5割強も減少。その一方、巣ごもり需要を受けて自社のレトルトカレーが前年同月比200%増と大きく伸びるなど、4~5月の会社全体の売上高は前年同期比で3割程度の減少にとどまった。

宮森氏は「固定費のかかる直営店への出店は今後は避ける。飲食店以外の事業に経営資源を投資していく」と話す。

M&Aにも意欲を見せる。2017年には後継者不足に陥っていた金沢市内の老舗カレー屋「ホットハウス」の事業を継承。インバウンド需要を見越し、2019年にはハラール認証を受けたインドカレーを提供する東京地盤のチェーン「サムラート」の製造部門を買収した。

M&Aに乗り出したのは、「2016年ごろに通っていたビジネススクールで、日本電産の永守重信会長から『トップになるには会社を買いなさい』というアドバイスを受けたから」(宮森氏)だという。

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