新日本プロレス社長が語るコロナ打破の戦略

「従来のままでは世の中の流れに合っていない」

7月11日、12日に開催し約4カ月ぶりの有観客興業となった大阪城ホール大会。セミファイナルに登場した棚橋弘至選手。華麗な空中技も飛び出し3898人の観衆をくぎ付けにした(©️新日本プロレス)
日本最大のプロレス団体である新日本プロレスはコロナ前まで、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだった。2019年はアメリカ各地での大会が増えたほか、イギリス・ロンドンでは初の興行を実施。今年の1月4日、5日には2日連続の東京ドーム大会で合計7万人以上の観客を動員した。
だが、新型コロナウイルスの感染拡大で状況は一変した。
2月26日に行われた沖縄大会を最後に、6月半ばまで3カ月以上に渡って53大会を中止。年間に行う大会の約3分の1が消滅する事態となった。「withコロナ」のプロレスはどのような形になるのか。メイ社長を直撃した。

最高潮のタイミングで訪れたウイルス

――生観戦を強みとするプロレスにとって、新型コロナの影響はかなり痛いのではないでしょうか。

新日本プロレスの場合、売り上げの約半分がチケットで、試合会場でのグッズ販売額も大きい。3カ月以上の大会中止は、それなりの痛手を被った。

プロレスは「これから先の展開はどうなるのか」「目が離せない」といった熱狂を生み続けることが重要だ。近年は新しいファンが増えると同時に、昔ながらのファンも戻ってくるなど、最高潮に盛り上がっていた。その矢先に今回の新型コロナがやってきたのは本当につらかった。

――緊急事態宣言の発令中に、無観客試合を行って動画配信をするほかのプロレス団体もありました。

選手とスタッフの安全を考えると、それは難しかった。3月以降は、感染者が増えるのか減っていくのかもまったく見通すことができなかったので、「安全第一」を考えて試合を行わないことを決めた。

われわれはスポーツ、そしてプロレス界では目立つ存在であり、社会的責任もある。試合を行えば、短期的視点では売り上げや収益を確保できるかもしれないが、選手やスタッフに感染者が出てしまえば、「なぜあのとき強行したんだ」と言われてしまう。そういうイメージは長期にわたって残るので、(無観客試合でも)できないと判断した。

――多くの団体は巡業という形で日本各地を転戦しながら大会を行います。今後、こうした形態は変わっていくのでしょうか。

基本的な部分は変わらない。プロレスを見に来たお客様にはしっかり楽しんでいただきたいし、主催者側も万全の準備をする必要がある。

われわれは自社で所有する会場を持っていない。巡業をする中では、都道府県や市区町村の体育館などを使用しているので、感染リスクを抑えるために細心の注意を払いながら、各自治体の方針に従って大会を運営していく。

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