「不倫で番組降板」がアメリカではありえない訳

政治と芸能を「同価値に扱う日本人」の奇妙

アメリカでなら渡部建さんも「活動自粛」しなくてもよかったかもしれない(写真:時事通信フォト)

お笑いタレント渡部建さんの不倫が、あいかわらず日本のメディアを騒がせている。彼が謝罪会見をするのかしないのかにも、注目が集まっているようだ。

一方、海を越えたアメリカでは最近、人気司会者のジミー・ファロンが自身の番組『The Tonight Show Starring Jimmy Fallon』でアメリカ国民に向けて謝罪をした。彼は別に不倫をしたわけではない。

『サタデー・ナイト・ライブ』のレギュラーだった2000年に、クリス・ロックのモノマネをするため顔を黒く塗ったことについて謝ったのだ。20年前の出来事とあり、多くの人は覚えてもいなかったのだが、「Black Lives Matter運動」によって問題が再燃したのである。

「黙っていることは、一番の罪です」

当時を振り返り、ファロンは、「非常に恐ろしくなりました。この番組が打ち切りにされるとか、自分が雇ってもらえなくなるからという理由ではありません。もちろん、それも怖いです。しかし、一番の恐怖は、彼(ロック)に、自分は彼のことが好きなのだというのを信じてもらえるだろうかということでした。僕は彼のことを誰よりも尊敬しているんです」と語った。

人気司会者のジミー・ファロン(右)とゲストのウィル・スミス(左)(写真:NBCUniversal/getty)

また、知人から「何も言わないほうがいい」とのアドバイスも受けたが、それではいけないと思ったとも明かしている。「黙っていることは、一番の罪です。僕のような白人の男は、何か言わなければなりません。それも、言い続けなければ。1回だけツイッターでつぶやくのではなくて」とも述べている。

その真摯な謝罪は、CNNの黒人キャスターであるドン・レモンからも評価された。ジェイミー・フォックスもインスタグラムで「君は謝らなくていい」と養護し、ファロンを批判する人に対し「怒るべき相手はもっとほかにいる」と指摘している。おかげで彼への非難は収まり、彼は番組を降板せずにすんだ。

彼自身が誰よりも感じているだろうが、ファロンは幸運に恵まれた。今のアメリカでは、差別的な発言や行動をしたタレントは、たちまち仕事を失うからだ。

コメディアンのケビン・ハートは、2009年ごろにツイートしたゲイ差別コメントを掘り起こされて、2019年のアカデミー賞授賞式のホストを降板することになった。すぐに謝罪をしなかったのも、ハートの状況を悪化させた原因のひとつ。

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