――新日本プロレスとして自社会場を持つ構想はありますか?
もちろん、それは考えている。今探しているところだ。
規模感でいうと収容人数は3000人ほど。後楽園ホールよりもやや大きいくらいのイメージになる。自社会場を持つのはわれわれの夢だ。場所さえ決まれば1年半で(専用会場に)できる。
――一方、ここ数年力を入れている見放題の動画配信サービス「新日本プロレスワールド」(月額999円、税込み)の会員数は、コロナ禍でどのように変化しましたか。
実は興行を自粛して、1割ほど会員数が減った。
だが、これはわれわれの想定より少なかった。3カ月間、まったく試合をやっていない。それでも残っていただいているのは、過去の名勝負などアーカイブの強み、あるいは新日本プロレスを応援したいという気持ちも含まれているだろう。
6月中旬に試合を再開すると、会員数は(コロナ以前の水準である)10万人に戻った。そのうち4割弱を海外からの加入者が占める。
テクノロジーを活用して熱狂を伝える
これまでプロレスは人が(会場に)集まらないと成り立たないビジネスだった。でも、それは世の中の流れに合っていない。テクノロジーを活用して、家でもプロレスを楽しめるようにしたい。会場で見るような熱狂を伝えるのは難しいかもしれないが、映像でもできるだけ生の観戦に近づけることが、われわれの責務だ。
――現在、新日本プロレスの売り上げに占める2割が、動画配信や放映権料などのIP(知的財産)関連の売り上げです。この比率を増やすことが、より重要になると?
そのとおりだ。
(世界最大のプロレス団体の)WWEはこのテレビ放映権や映像配信などの売り上げが全体の約6割を占める。この水準はスポーツ業界では当たり前。世界で最も資産価値が高いといわれるプロスポーツチームは、アメリカンフットボールのダラス・カウボーイズだが、彼らの売り上げの約半分はIP関連だ。サッカーの世界では、レアル・マドリードやマンチェスター・ユナイテッドもIP関連の売り上げが全体の6割程度を占める。
世界のスタンダードと比較すると、われわれはこの分野でポテンシャルを出せていない。以前から観戦を主軸とするビジネスモデルではいけないと考え、収益構造のシフトチェンジを図ってきた。新型コロナを機に、より力を入れてやっていく必要があると感じている。
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