さらに、テクノロジーの難しさそのものよりも、高年齢の従業員はテクノロジーの使い方を習得できないという固定観念のほうが、新たなスキルを学ぶ従業員に対する弊害かもしれません。
高年齢従業員の中には、単純に対面学習のほうがいいという人もいるだろうことは確かに間違いありませんが、それは新しいテクノロジーを習得する意欲がないということではありません。テクノロジー志向は、適性よりも慣れの問題だからです。
どの世代にも「得意分野」がある
「デジタルネイティブ」とも呼ばれるミレニアル世代やZ世代の従業員は、人生のほぼすべての時期をインターネットやスマートフォンのアプリとともに過ごしてきました。これらの世代の従業員は、社会生活のかなりの部分をデジタルで賄っているかもしれません。実際、Z世代の42 %が、対面よりもスマートフォンを介して人とつながる方が多いと回答しています。
ところが、そうしたデジタル時代の考え方が、仕事の成功に求められる唯一の条件というわけではありません。過剰にテクノロジーに依存すれば、チームワークや対人コミュニケーションなどのソフトスキルが損なわれる可能性があります。
とはいえ、学ぶ準備や意欲がこの世代にないということではありません。多くの時間をオンライン上で過ごしているためか、Z世代の従業員の約83%が、職場では対面でのコミュニケーションのほうを好むため、適切にトレーニングすれば、ソフトスキルを育成できる機会はたくさんあります。
人によって学びの方法は異なるため、新たなスキルの習得戦略を成功させるには、柔軟性が鍵となります。選択肢を増やすことで、従業員はスケジュール、好み、適性、得手不得手に基づき、自分に合ったトレーニングを受けることが可能になります。トレーニングの最適化に特に重要な要素が、マイクロラーニングとフローの中での学習です。
マイクロラーニングでは、エンゲージメントを高めるため情報を少しずつ提供し、新しい知識を遥かに覚えやすくします。たとえば、1時間のトレーニング動画やパワーポイントでの講義を受けるのと、職務に合わせてカスタマイズされた6分間のTEDトーク動画を視聴するのとでは、どちらを望むでしょうか。
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