「あ」段の音は「広さ、大きさ、荒さ、明るさ、動きの速さ」など、「お」段の音は「大きさ、動きの速さ、荒さ、音の鈍さ」などだそう。「う」段の音は「暗い心情、音の柔らかさ、飛び出す動き」などで、「え」段の音は「下品、野卑、否定的」なのだとか。「へらへら」とか「でれでれ」とか、確かに「え」段にはネガティブな感じのもの、ありますね。
清音(濁点や半濁点のつかない音)は「弱さ、小ささ、柔らかさ、もろさ、おだやかさ、細さ、量の少なさ」などのイメージがあり、濁音(「が」「じょ」「べ」などの濁点のつく音)はその逆で「強さ、硬さ、厚さ、荒さ、量の多さ、太さ」などがあるそうです。
半濁音(「ぱ」「ぴ」「ぷ」などの半濁点のつく音)には「弾み、愛らしさ、軽さ、鋭さ、弾力」などのイメージだということです。子音はたくさんあるので今回は割愛しますが、やはりそれぞれに象徴的な意味があるそうです。
英語の音の持つイメージ
英語でも、phonestheme (音表徴素)という「単語の中で一定の意味やイメージを想起させる音素の結合」なるものがあります。
phonesthemeは1930年にイギリスの言語学者John Rupert Firthが作り出した造語のようです。これらの例をいくつか見てみましょう。
もちろんこれらの音が入ったすべての単語に当てはまるわけではないのですが、確かにそれぞれのphonesthemeに共通の意味がある感じがしますね。ちなみに、これは接頭辞(例:sub- 「下」「下位」、pre- 「あらかじめ」「前部の」)や接尾辞(例:-less 「~のない」「~を欠く」、-er 「~する人」「~するもの」)などとは異なるそうです。
でも、これって学習者視点にしてみると、単語を覚えるときに便利なような混乱するような、複雑な気分ですね。おおまかな意味をつかむときには助けになりそうですが、実際に自分が単語を使うときにはどの単語だったのか迷ってしまいそう。
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