M&A市場はリーマンとコロナ危機でまるで違う

M&A助言のエキスパート、GCAの渡辺社長に聞く

破綻案件が増えるタイミングを「今年の夏ぐらい」と述べたGCAの渡辺社長(撮影:今井康一)
経済が深く傷ついたとき、活発になるのが企業の買収や統合、いわゆるM&Aだ。コロナ禍でM&A市場はどう動き、日本企業の経営陣はそこにどう向き合おうとしているのか。日米欧の3極体制でM&A助言を行うGCAの渡辺章博社長に聞いた。

「社長恐怖指数」が明らかに上がっている

――新型コロナの影響で立ちゆかなくなった企業からの相談は増えていますか。

まだ本格化していない。とりあえずは金融機関や政府が積極的にお金を出しているからだ。傍目で見ていて、そんなに出していいのかという業界にまでけっこうなお金が出ているという印象を持っている。

今までは、コロナでダメになったわけじゃなくて、その前からダメだった企業の破綻案件が出ていた。足下ではコロナが最終的にとどめを刺したという形の破綻案件はぼちぼち出始めている。

コロナの影響は業界ごとに異なる。(各企業が負った)傷の深さによって、その企業が再編されるか、民事再生や会社更生のように事業を継続する再生破綻案件に持っていくのかという判断が、金融機関や経営者サイドに迫られる。

――破綻案件が増えるのはいつ頃になりそうでしょうか。

業界によって違うが、通説は夏ぐらい。

コロナ後の「新常態」とどのように向き合っていくべきなのか。「週刊東洋経済プラス」では、経営者やスペシャリストのインタビューを連載中です。(画像をクリックすると一覧ページにジャンプします)

7月に入るとそういう動きがそろそろ出てくるのではないかと言われている。現場ではすでにその動きが出ていて、6月に入ってから企業からのいろんな問い合わせや相談がすごい勢いで増えている。

むしろ日本は遅れており、海外のほうが動きが早い。日本では5月25日に緊急事態宣言が解除されたあたりから相談が急増した。コロナ前と比べて感覚的には1.5倍以上に増えている。

今は大変な時期なので、フィー(手数料)がどうこうというよりも、まずは企業のいろいろな相談に応じないといけない。

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