「1位を目指さない企業」が先細りする根本原因 ブランドの世界では「2位」じゃダメなんです
例えば、日本茶の生産量日本一の県が静岡県であることは知られていますが、2位はどこかご存じでしょうか。実は鹿児島県なのです。静岡県のお茶の生産量が日本全体の37.5%で、鹿児島県は32.4%と差があまりないにもかかわらず、です。2位が鹿児島県と答えられる人は少ないのではないでしょうか。
「自動車といえばトヨタ」「コンビニといえばセブン-イレブン」のように、強いブランドには「○○といえば」の後に必ず自社ブランドがきます。ほかにも、「ファストフードといえばマクドナルド」「おむつといえばパンパース」などが挙げられます。
2番手、3番手は「売り場の確保」に苦戦する
小売りの現場では、カテゴリーの1番手のブランドは、スーパーやドラッグストアなどで棚、つまり、売るための場所が優先的に用意されますが、2番手、3番手のブランドは、販売促進の支援や仕入れ値などでいい条件を出さなければ、なかなか売り場スペースを確保できないのが現状です。
棚が優先的に確保されやすいPBもこの争いに参戦しているため、より競争は厳しくなっています。メーカーは棚スペースを確保するのに本当に必死です。
メーカーとしては、小売り側から「あなたのブランドを当店でどうしても販売したい」と言われるような商品づくり・ブランドづくりが必要でしょう。なんとしてもさまざまな小売りから「取り扱いたい」と言わせるためにも、1番手を目指し、「○○といえば」の後に必ず自社のブランドがくるようになることを心がけたいところです。
1位を目指してほしいと言われても、「そりゃ大手だからできること」と思うかもしれません。しかし、そんな簡単に諦めてはいけません。差別化について説明したように、差別化されたある特定の分野や領域で1位になればよいのです。
「自動車といえばトヨタ」という話をしましたが、もっと細分化することで、各社の特徴が浮かび上がってきます。例えば、「エンジンが優れた自動車といえばホンダ」「デザインが優れた自動車といえばマツダ」「軽自動車といえばスズキ」というように、自動車の特徴を細分化することで、各社ナンバーワンの分野が出てきます。自動車メーカーそれぞれが、自分たちの特徴を出そうと非常に努力しているのです。
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