「1位を目指さない企業」が先細りする根本原因 ブランドの世界では「2位」じゃダメなんです
「2位じゃダメなんでしょうか」
民主党政権時代、事業仕分けに当たってある女性議員が、スーパーコンピューター「京」の計算処理の速度についてこんな発言をし、物議を醸したことは記憶に新しいと思います。
そのときどうすべきだったかはここでは論じませんが、もしこのスーパーコンピューターの戦略的位置づけが「リーダー」ならば、意地でも1位であり続ける戦略を取らなければなりません。もし「フォロワー」という位置づけならば、2位でよかったでしょう。
しかし、ブランドの世界では、2位じゃダメなのです。「私たちのブランドは、大手のやっていることをマネするフォロワーです」というブランドであれば、2位でも3位でもいいかもしれません。しかし、それでは価格競争に巻き込まれてしまい、強いブランドを築くことはできないでしょう。
「1番じゃない企業」は忘れ去られる
私が言いたいのは、何かの分野で、なんとしても「1番」を目指してほしいということです。なぜなら、1番以外は、なかなか覚えてもらえないからです。
ブランディングは、お客さんの頭の中にブランドを刷り込む作業です。頭の中にあるスペースは限られており、お客さんは正直なところ、そんなにたくさんのことを覚えたくないのです。実際、多くの分野のブランド認知率のデータを見ても、2位以下の認知率はどんどん下がり、フォロワーブランドに至っては10%を切っているのが普通です。
したがって、マインドシェア(お客さんの頭の中のブランド占有率)を高めるには、1位を取ることがとても重要なのです。「1位は知っているけど2位ってどこなの?」ということは、身の回りにたくさんあると思います。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら