「1位を目指さない企業」が先細りする根本原因 ブランドの世界では「2位」じゃダメなんです

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「自動車といえばトヨタ」「コンビニならセブン」と言うように、No.1でいること自体が「企業のブランディング」につながる(写真:ollo/iStock)
イオンやマツキヨなど大手企業の「ブランド再生」に貢献した乙幡満男氏。前々回は「安易な値下げのデメリット」、前回は「ブランディングのメリット」について解説してもらった。今回は「企業が1番を目指すことの意義」について、新刊『ブランディングが9割』より再構成してお届けする。

「2位じゃダメなんでしょうか」

民主党政権時代、事業仕分けに当たってある女性議員が、スーパーコンピューター「京」の計算処理の速度についてこんな発言をし、物議を醸したことは記憶に新しいと思います。

そのときどうすべきだったかはここでは論じませんが、もしこのスーパーコンピューターの戦略的位置づけが「リーダー」ならば、意地でも1位であり続ける戦略を取らなければなりません。もし「フォロワー」という位置づけならば、2位でよかったでしょう。

しかし、ブランドの世界では、2位じゃダメなのです。「私たちのブランドは、大手のやっていることをマネするフォロワーです」というブランドであれば、2位でも3位でもいいかもしれません。しかし、それでは価格競争に巻き込まれてしまい、強いブランドを築くことはできないでしょう。

「1番じゃない企業」は忘れ去られる

私が言いたいのは、何かの分野で、なんとしても「1番」を目指してほしいということです。なぜなら、1番以外は、なかなか覚えてもらえないからです。

ブランディングは、お客さんの頭の中にブランドを刷り込む作業です。頭の中にあるスペースは限られており、お客さんは正直なところ、そんなにたくさんのことを覚えたくないのです。実際、多くの分野のブランド認知率のデータを見ても、2位以下の認知率はどんどん下がり、フォロワーブランドに至っては10%を切っているのが普通です。

したがって、マインドシェア(お客さんの頭の中のブランド占有率)を高めるには、1位を取ることがとても重要なのです。「1位は知っているけど2位ってどこなの?」ということは、身の回りにたくさんあると思います。

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