お荷物のテレビが復活? 高画質化が追い風に 実は確実に進化が続く4Kテレビ
各電機メーカーにおいて、「リストラ部門」の象徴といえばテレビ部門だ。パナソニックはテレビ事業を白物家電の事業部門の一部とすることで効率化を追い、ソニーはテレビ事業を分社化することで損益管理を厳格化する。かつての花形部門は、お荷物部門のようになっている。
しかし、「4K」が徐々に市場の主流になりつつある中で、高画質化を進める作り手と、中国勢のように価格と数量を追い求める作り手との差が生まれつつある。現在の市場トレンドは、「広がりつつある4Kで高付加価値な画質、音質を実現すること」だ。ブラウン管テレビ時代からの蓄積を持ち、高画質化に関するノウハウが成熟している日本メーカーにとって有利な局面である。
この視点から、4月発表の各社の新モデルをみると、各社の絞り込まれたテレビ戦略が大きく進展していることがわかる。
「局所輝度制御」を実現
パナソニックは、昨年1モデルだけだった4Kビエラを今年から上位モデルにラインナップを拡げて本格展開する。先日発表されたAX800シリーズはWT600の後継シリーズという位置付けだが、別途海外でAX900というモデルが発表されており、コストをかけた最上位モデルとして投入する見込みだ。
昨年末の商戦では、4Kテレビの国内販売で75%ものシェアを獲得したとされるソニーは、一気にラインナップを3つに増やしてきた。4月15日に発表したモデルのうち「X9500B」は、同社として久々に投入された直下型LEDバックライト採用のローカルディミング搭載機である。ローカルディミングとは、「局所輝度制御」のことで、液晶パネルの裏側に並べたLEDの発光量を個々に制御してコントラストを高める方法だ。前記したパナソニック「AX900」も、未発表ながら同様の機能を持ち込んでいる。
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