お荷物のテレビが復活? 高画質化が追い風に 実は確実に進化が続く4Kテレビ

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ソニーは、あまり数量の出ない大型の85インチモデルでも直下型LEDバックライト採用のローカルディミング搭載機を投入してきた。このバックライトは外注先のパネルメーカーでは製造していないため、ソニー側が自分たちでバックライトを組み立てなければならない。ソニーは、流通量の限られる85インチモデルでも、それをやったのだ。さらに磁性流体スピーカーを用いた「X9300B」は、単体の高級オーディオと比較できるほどの高品位な音を出す。

東芝は20万円台の4Kテレビ

東芝は40インチの4Kテレビを投入する

一方、東芝も驚くべき戦略に打って出た。サイズ40インチという4Kとしては最小のモデルを7月中旬に投入する。価格は20万円台前半という低価格を実現した。この低価格製品を含め、(84インチモデルを除く)全製品において直下型LEDバックライトのローカルディミングを採用した。プレミアムな液晶テレビを志向しているが、価格面ではミドルクラスと競合できる製品に仕上がっているのが特徴だ。

有機ELテレビへのシフトを急いできた韓国メーカーは、それがうまくいっていない。4Kという波は、それまで培ってきた高画質化ノウハウ、技術が生きてくる分野でもある。世界ナンバーワンの販売台数を誇るサムスンも、この点はまだまだ追いついていない。

依然、市況が厳しいことは間違いないが、しかし4K化の中でプレミアム製の高いテレビへの認知が高まり、存在感を示すことができれば、今後の業界シナリオは方向性が少し変化するだろう。

本田 雅一 ITジャーナリスト

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ほんだ まさかず / Masakazu Honda

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

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