日経平均が大きく上昇し始めるのはいつなのか コロナショック後のモミ合いをどう考える?
筆者は、コロナ対策で今までの財政規律や金融政策のタブーを事実上破ってしまっている世界経済の中で、もはや「2番底はない」か、あるいは3月19日からの急騰直後の4月初めの下げで、すでに「変形2番底」を付けてしまったかと考えている。
つまり、今回の上昇エネルギーの充電は、3月~4月の実質1カ月で終わっており、その後の弱気派の空売りの蓄積が、逆に上昇パワーを強めている相場とみている。
万一、今後年内8月(3月から5カ月後)~11月(同8カ月後)で急落(2番底)の局面があったとしても、この習性から言って、その下げは買いのビッグチャンスになるだけだ。
実際、2008年の時は(充電期間終了後)1年間、2012年の時は(同)3年間、2016年の時は(同)2年半、上昇しているという事実がある。過去の経験に照らすなら、もし今回のエネルギー充電期間が4月で終わっているとすると、4月から数えて1年~3年の上昇相場があるということになる。仮に、2番底がこれから来るとすれば、その時点から1年~3年の上昇相場となるということだ。
また、当コラムだけでなく、他のところでも「むやみに空売りだけはするな」と行ってきたが、その理由は、上記の①の日経平均は7000円台、②が8000円台、③が1万5000円割れ、さらに次の時期は確定ではないが現状では1万6000円台と、エネルギー充電期間中の下値が切りあがっているためだ。つまり、短期はともかく、長期的には大きなリスクがあるからだ。
株式投資は一筋縄では捉えられない
これからの相場を「2極化相場」とし、新しい時代では「勝ち組」「負け組」が半々になるとすれば、上場銘柄のうち、買い対象銘柄はざっくりいって約2000もあることになる。
もちろん勝ち組銘柄に乗るのが王道だが、現状の負け組の代表格であるキャノンは先週末、ついに20年来の安値を切ってしまった(10日の終値は2007円)。
「天下のキャノン」が、このままなすすべなく衰退するとは思えない。この辺へ、資金の一部を沈めておくのも手ではないか。
株式投資は一筋縄では捉えられない。「理外の理も学理である」とは、筆者の師である「石井独眼流」(立花証券の故・石井久元社長)の、さらに師匠であるエコノミスト、故・高橋亀吉先生(1891-1977)の言葉である。
米中対立の不透明感の中で、最近は米中2国の株価が最も強いのはなぜか。戦前、高橋亀吉氏は、はやくから世界の潮流をつかみ、当時同じく東洋経済新報社の気鋭の記者だった故・石橋湛山氏(のちの首相、1884-1973)と共に、政府の政策である「実体経済と乖離したままの旧平価による金輸出解禁」には断固反対の論陣を張った「街の経済学者」だった。
今、彼らに、今の相場をどう見るのか聞いてみたいものだ。「過去を忘れよ、過去にとらわれるな。変化を知れ、変化に気づけ」は、師である石井独眼流が書き留めた、高橋亀吉先生の信条である。これらの言葉が、その答えのような気がする。
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