日経平均が大きく上昇し始めるのはいつなのか コロナショック後のモミ合いをどう考える?
まずは対照的なアメリカの2つの指数の話から始めよう。先週7月9日(木)のことだ。NYダウ工業株30種平均の終値は前日比361ドル安の2万5706ドル。一方でナスダック総合指数は、同55ポイント高の1万0547ポイントで引けた(10日はさらに上昇、終値は1万0617ポイント)。
ますます強まる「2極化現象」
9日、ダウの下げは一時500ドルを超えたのに、ナスダックは連続で史上最高値を更新と、今までにも例を見ない極端な明暗の別れ方だった。
感染急拡大によって、アメリカでは再度の「シャットダウン」(経済活動の停止)の可能性のある州が出てきており、景気敏感株は売られた。だが、ハイテク株への買いは途切れなかったのである。新型コロナウイルスショックで明確になった、新しい時代のデジタル化が本格的に動き出していることを象徴する出来事だった。
日本株でも2極化は著しい。東京エレクトロンなどが中心の半導体関連株には資金が集中するなど、新しい時代に成長する企業の上昇は止まらない。一方、株価指標面では、かなり割安になったはずの景気敏感株は、時として行き過ぎた投資配分の修正と見られるような買いは入るものの、コロナショック安の底値からの戻りは鈍い。
さて、日経平均株価は7月10日現在で2万2290円である。このところ「下げそうで下げず、上げそうで上げず」を繰り返しているが、過去の相場では、上げ相場の前に「3つの明確なエネルギー蓄積のモミ合い期間」があった。しかもそれには一定の習性があるので、少し俯瞰しながら、ここに紹介して見よう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら