中国の火鍋チェーン大手の海底撈(ハイディラオ)は7月6日、同社の2020年上半期の売上高が前年同期比20%減の約94億元(約1438億円)に落ち込み、純損益が赤字に転落するという見通しを発表した。海底撈が赤字に陥るのは、2018年9月に香港証券取引所に上場して以降初めてだ。
赤字転落の原因は、言うまでもなく新型コロナウイルス流行の影響だ。海底撈の業績は2019年通期の売上高が前年比56.5%増の265億5600億元(約4063億円)、純利益が同42.5%増の23億4500万元(約359億円)と絶好調だっただけに、外食産業に対する新型コロナの打撃の大きさを改めて印象づけた。
今年1月26日、海底撈は新型コロナの中国での流行拡大を受けて国内の全店舗の営業を停止。その後、3月12日に全体の6分の1に当たる85店舗の営業を再開し、4月中旬には全店再開にこぎ着けた。しかし行政の防疫措置による営業時間や供用席数の制限を受けたほか、各店舗の防疫対策投資がかさんだことなども業績を圧迫した。
1~5月の飲食業全体の売上高は36.5%減
同社は新型コロナの負の影響をできる限り低減するため、テイクアウトの推進やデリバリー用メニューの多様化、顧客に自宅で火鍋を楽しんでもらうための具材セットの販売など、さまざまな対策を打ってきた。防疫措置の緩和とも相まって、経営状況は日を追って改善しているという。
東呉証券の調査レポートによれば、新型コロナの打撃の大きさや人件費や家賃など固定費の削減の難しさを考慮すると、海底撈の2020年上半期の純損益は前年同期の9億1100万元(約139億円)の黒字から大幅な悪化が避けられない。とはいえ、純損失は10億元以下(約153億円)にとどまるとみられている。
中国国家統計局のデータによれば、中国の飲食業全体の売上高は2020年5月は前年同月比18.9%減と、回復しつつあるものの昨年の水準にはまだ遠く及ばない。1~5月の累計では、飲食業の売上高は前年同期比36.5%も減少した。
(財新記者:沈欣悦)
※原文の配信は7月7日
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