中国の観光業は、新型コロナウイルスの集団感染が6月に発生した北京を除いて全国的に徐々に持ち直しつつある。6月25日から27日にかけての「端午節」の3連休には、多数の観光地が大勢の人出でにぎわった。
とはいえ実績のデータを見ると、コロナ前の水準にはまだ遠く及ばない。中国文化観光省の調べによれば、端午節の国内観光客数は延べ4880万9000人と前年比49%減少、国内観光収入は122億8000万元(約1854億円)と同69%も落ち込んだ。
同じく文化観光省によれば、6月22日時点で全国のA級観光地(訳注:景観、安全、衛生など一定の基準を満たした優良観光地に文化観光省が与える等級。AからAAAAAまでの5段階ある)の8割に当たる1万64カ所が営業を再開した。ただ、これらの観光地では一度に受け入れ可能な最大入場客数の30%以下に観光客を制限しており、事前予約制と時間帯別の入場客数の厳格な管理が必須になっている。
江蘇省や広東省の減少幅は全国平均下回る
観光業の回復度合いは地方によるばらつきも大きい。新型コロナの集団感染が発生した北京市は、端午節の書き入れ時が台無しになった。市内の主要観光地の観光客数は前年比76.8%減の延べ135万人、観光収入は同75.9%減の7240万元(約11億円)と、減少幅は全国平均を大きく上回った。
一方、華中の江蘇省や華南の広東省の減少幅は全国平均を下回り、相対的に堅調だった。江蘇省の端午節の観光客数は前年同期比35.3%減の延べ424万9000人、観光収入は同45%減の28億5000万元(約430億円)。同じく広東省は観光客数が前年同期比46.8%減の延べ1069万6000人、観光収入は同38%減の52億6000万元(約794億円)だった。
(財新記者:沈欣悦、銭童)
※原文の配信は6月28日
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