製造業より出足が遅れていた中国のサービス業の回復が、ここにきて勢いを増している。7月3日に発表された6月の財新中国サービス業経営活動指数(サービス業PMI)は58.4と、2010年5月以来10年ぶりの高水準を記録した。また、5月の55からは3.4ポイント上昇し、好不況の判断の目安とされる50を2カ月連続で上回った。
サービス業PMIに先立って7月1日に発表された6月の財新中国製造業購買担当者指数(製造業PMI)は51.2と、5月の50.7から0.5ポイント上昇した。サービス業と製造業のPMIがそろって2カ月連続で50を上回ったことは、新型コロナウイルスの打撃を受けた中国経済の回復の足取りが確かになってきた表れと言えそうだ。
景況感は改善したが雇用は縮小続く
6月のサービス業の新規受注指数は2010年9月以来の高水準となり、2カ月連続で拡大トレンドを維持した。6月には製造業の新規受注指数も縮小から拡大に転換しており、内需回復の勢いを印象づけた。
一方、気がかりなのは雇用の状況だ。景況感の大幅改善にもかかわらず、サービス業は雇用の削減を続けている。6月のサービス業雇用指数は5月よりも低下した。調査対象企業からは「新型コロナの影響が残っており、まだ採用を増やせない」などの回答が寄せられた。
「6月はサービス業と製造業の景況感が引き続き改善したが、サービス業のほうが新型コロナの打撃が深かった反動で、改善幅が大きく出ている。しかし雇用情勢は楽観できず、企業が雇用を維持しながら難局を乗り切るための、政府の的を絞った支援策が望まれる」。財新グループのシンクタンクCEBMのシニアエコノミストを務める王喆氏は、そうコメントした。
(財新記者:沈凡)
※原文の配信は7月3日
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