新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)が世界各地で緩和されるとともに、中国の製造業に薄日が差してきた。6月1日に発表された5月の財新中国製造業購買担当者指数(製造業PMI)は50.7と、4月の49.4から1.3ポイント上昇。好不況の判断の目安とされる50を回復した。
5月の数値は中国国内で新型コロナの流行が落ち着き始めた3月の50.1を上回り、2月以降の最高値を記録した。一方、5月31日に発表された中国国家統計局の調査に基づく製造業PMIは50.6と、4月より0.2ポイント低下。財新と国家統計局のPMIが異なる動きを見せたことは、製造業の景況感が依然まだら模様であることを物語っている。
輸出の新規受注は5カ月連続で縮小
製造業の生産指数は3カ月連続で上昇したが、新規受注指数は需要の弱さを反映して4カ月連続で縮小トレンドを脱せなかった。海外では「コロナ後」の経済活動再開が緒に就いたばかりであり、新規輸出受注指数は4月より幾分改善したものの縮小トレンドが5カ月連続となった。
雇用の状況も引き続き厳しい。調査対象企業の多くが、需要不足を理由に「人員削減を計画している」と回答。一部の企業は「自己都合で退社した従業員の補充を止めている」と答えた。
原材料購買価格指数は4カ月連続の下落トレンドを示したが、下げ幅は過去4年間で最大を記録した4月よりも縮小した。調査対象企業からは「原油や金属などの相場下落で原材料コストが下がったため、メーカーが製品価格を下げて売り急ぐ動きは減ってきた」との声が聞かれた。
(財新記者:沈凡)
※原文の配信は6月1日
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