中国「製造業」回復加速でも楽観できない理由

「財新中国製造業PMI」、6月は今年の最高値に

6月の製造業PMIは好不況の目安とされる50を2カ月連続で上回った(図表作成:財新)

中国の製造業の回復が徐々に加速してきた。7月1日に発表された6月の財新中国製造業購買担当者指数(製造業PMI)は51.2と、5月の50.7から0.5ポイント上昇。好不況の判断の目安とされる50を2カ月連続で上回るとともに、1月の51.1をわずかに超えて今年の最高値を記録した。

製造業の新規受注指数は内需の復調に牽引され、2月以降で初めて拡大トレンドに転換した。新規輸出受注指数は6カ月連続の縮小トレンドとなったが、海外でも経済活動の再開が始まったことを受けて5月よりも改善した。原材料在庫指数、原材料購買価格指数、工場出荷価格指数も上昇した。

前月の5月の主要経済指標は改善傾向を示したものの、ほとんどがエコノミストの予想値に届かず、中国経済の回復の足踏みを浮き彫りにした。しかし6月以降は、新型コロナウイルス対策の防疫物資の輸出増加や、中国政府が5月下旬の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)で打ち出した景気対策の効果が表れ始めたようだ。

雇用の維持・拡大が最重要課題に

そんななか、引き続き楽観できないのが雇用の先行きだ。製造業は6カ月連続で雇用削減を続けており、6月の雇用指数は小幅ながら悪化した。調査対象企業からは「自己都合で退社した従業員の補充を止めている」、「リストラの実施で雇用人数が減っている」などの回答が寄せられた。

来る7月と8月は大卒者の就職シーズン(訳注:中国の大学の卒業時期は6月が一般的)であり、失業率が例年一時的に上昇する。さらに今年は過去最多の874万人が卒業予定で、労働市場へのインパクトは避けられない。

本記事は「財新」の提供記事です

「6月は一部の地域で新型コロナの集団感染が発生したが、国内経済全体への影響は限定的だった。製造業は経済活動のさらなる正常化に自信を深めている。一方で雇用の悪化は軽視できず、いかに雇用を維持・拡大するかが重い課題になる」。財新グループのシンクタンクCEBMのシニアエコノミストを務める王喆氏は、そうコメントした。

(財新記者:于海栄)
※原文の配信は7月1日

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