菅義偉「安倍首相との間にすきま風は全くない」 ポスト安倍の有力候補「令和おじさん」の言い分

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塩田:菅官房長官は黒川前検事長と親密な間柄という記事も目にしました。もともとはどういうお付き合いですか。

(撮影:尾形 文繁)

:黒川さんは民主党政権のときに法務省の官房長だった。その後、安倍内閣になって、2017年7月にテロ等準備罪新設の改正組織犯罪処罰法が施行になりますが、法案作りの根回しは法務省の黒川官房長、法案に関する答弁の準備は現東京高検検事長の林眞琴刑事局長がやっていた。私は法務省関係の法律作りや法務行政に長く関わってきましたから、行政官としての彼らとはいろいろと一緒にやりました。ずっとそういう付き合いでした。2人とも優秀ですよ。だけど、高検の検事長になってからは、やはり一線を引いていました。

塩田:今年前半、安倍首相は給付金案の撤回・変更、検察庁法改正の成立断念に加え、前向きだった学校の9月始業・入学問題でも、「前広に検討」と表明しながら、慎重論の高まりで事実上、断念しました。3度のつまずきも含め、政策決定などで中央省庁出身の秘書官や補佐官など「官邸官僚」の意見や助言に傾斜しすぎる「側近重視政治」が原因ではないかという指摘も少なくありません。首相官邸の意思決定の内実をどう見ていますか。

:いろいろな指摘がありますが、そんなこと、ないと思います。それぞれの問題について、私を含めて議論したうえで方向性を決めています。批判があれば、私にも責任があるということですね。ですが、最終的には総理が判断している。緊急事態宣言のときも、私なんかは、感染者がゼロの県まで対象にしなくてもいいのでは、という思いがありましたが、知事会は「対象地域とそれ以外の地域の往来を自粛してほしい」と言う。いろいろな意見がきますが、最後は総理が判断するわけです。

首相と対立していたら「政権運営ができない」

塩田:安倍首相は自分で長く取り組んできた問題には当然、精通していると思いますが、そうでもない問題もあるはずです。そういう場合、接触する人たちの意見や話をじっくり聞いて、参考にしたり、そのうえで判断を下すという「聞き上手」のタイプですか。

:実際はそうです。柔軟ですよ。

塩田:2度目の安倍内閣が7年超の長期政権となり、最近、安倍首相と菅官房長官の二人三脚の足並みの乱れ、両者の間のすき間風、果ては対立も、という記事も目にします。

:よく言われますけど、何でだろうと思う。まったくないですよ。そういうことがあったら、政権運営ができないと思います。皆さん、「総理と没交渉」と言っていますけど。私は1日に2~3回、会っています。私は何かあると、必ず総理に報告します。ずっとそうです。

首相秘書官も必ず私の部屋に事前に来て全部、報告してくれる。相談もしますよ。私は出身の役所で見るのではなく、仕事ができる人を大事にします。そうでなければ、国のために働けないと思っていますから。

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