菅義偉「安倍首相との間にすきま風は全くない」 ポスト安倍の有力候補「令和おじさん」の言い分

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塩田:コロナ危機の行方が不透明ですが、衆議院の解散・総選挙について、どんなスケジュールを想定していますか。

:6月19日の会食でも、解散については、総理は「つねに」と言っていました。解散権は総理の専権事項ですから、それに私が触れるべきじゃないと思います。

塩田:来年の7~8月に東京五輪があります。五輪後だと、来年10月に訪れる衆議院議員の任期満了の直前となります。来年の春までにやらなかったら、衆院選をやるときがなくなります。

:いや、知りません(笑)。

塩田:次期衆院選で、もし自民党が大勝すれば、党内で「総選挙に勝った総裁を自民党の都合で辞めさせるわけにはいかない」という主張が高まり、総裁4選論が強くなることも考えられます。安倍首相がその点を重視して解散戦略を組み立てることはありますか。

:それはないと思います。総理ご自身は「4選はやらない」と皆におっしゃっています。ただ、解散は別ですよ。つねに解散権を持っているということです。

塩田:次の内閣改造・自民党役員人事はいかがですか。8月実施説も流れています。

:それもわからない。ただ党役員の任期切れがきます。どうするかは総理のご判断です。

ポスト安倍の考えは?

塩田:菅官房長官は去年5月の令和改元の際、国民の間で「令和おじさん」と呼ばれて人気が高くなり、ポスト安倍の有力候補と見る人が急増しました。ですが、以前のインタビューで、「ポスト安倍といったことは毛頭考えていない」という回答でした。

:今も一緒ですよ。前と同じです。

塩田:安倍首相は昨年暮れのテレビで、ポスト安倍の候補として、岸田文雄政務調査会長、茂木敏充外相、加藤勝信厚生労働相と並べて、菅官房長官の名前を挙げていました。

:それはわかりません。

塩田:次の内閣改造で、続けて官房長官をやってほしいと言われたら、引き受けますか。

:いえいえ、それは総理の専権事項ですので。

第3回(7月12日公開予定)に続く

塩田 潮 ノンフィクション作家、ジャーナリスト

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しおた うしお / Ushio Shiota

1946年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
第1作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師―代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤』『岸信介』『金融崩壊―昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『安倍晋三の力量』『危機の政権』『新版 民主党の研究』『憲法政戦』『権力の握り方』『復活!自民党の謎』『東京は燃えたか―東京オリンピックと黄金の1960年代』『内閣総理大臣の日本経済』など多数。

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