菅義偉「安倍首相との間にすきま風は全くない」 ポスト安倍の有力候補「令和おじさん」の言い分

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塩田:去年5月の訪米の前後から、官房長官が日本を留守にして訪米するのは、「ポスト安倍」に野心を持ち始めたのではないか、という解説が流れ始め、神経をとがらせる安倍首相との心理戦を指摘する声も多くなりました。

:訪米も、拉致問題担当大臣として、日米連携を確認・強化すべく働きかけるためのものでした。当然、総理には事前に相談し、「ぜひ行ってきてください」と言っていただいた。拉致問題担当大臣は官房長官との兼務になりますが、拉致問題について、中途半端にやっているのではないという思いで取り組んでいます。歴代の担当大臣はすべて国連で演説している。私の場合、前の大臣がやっていたことは最低限、すべてやるということでやってきた。国連でのシンポジウムは必ずやることになっているので、行かなかったら、逆に中途半端にやっていると思いますよね。

塩田:去年9月の内閣改造での河井克行法相と菅原一秀経済産業相の起用をめぐって、安倍首相と菅官房長官の確執が取り沙汰されました。菅さんが入閣を強く推した両者が共に早期辞任に追い込まれ、安倍首相の菅さんへの不信感が高まったという解説も目にしました。

:それはまったくないですね。大臣の人事は総理の専権事項です。口出しはしないですよ。

塩田:「身体検査」と呼ばれる入閣候補者の事前の身辺調査は官房長官の役目ですか。

「身辺調査は、やることになっていない」

:いわゆる身辺調査は、やることになっていないですよ。週刊誌の情報くらいまでは集めていますけどね。

塩田:両者の早期辞任について、どう受け止めましたか。

:辞任の原因になったああいうことは、私は知らなかったんですよ。2人とは懇意にしていました。まあ、閣内に懇意にしている人はたくさんいますけどね。

塩田:河井前法相は国会閉幕の翌日の6月18日に案里夫人とともに東京地検特捜部に公職選挙法違反容疑で逮捕されました。河井前法相との付き合いはいつからですか。

:衆院選初当選の同期です。小選挙区が導入された初めての選挙の1996年10月の衆院選で初当選しました。そのころからです。同期の仲間はみんな仲がいいですよ。

塩田:河井前法相が運営の中心となっていた「向日葵会」という会があるそうですね。

:この会はもともと鳩山邦夫元総務相ですよ。それを河井さんが引き継いだのでしょう。私を囲む会ではない。それに年に1回か2回、呼んでもらったという感じです。

塩田:河井前法相の人物像をどう見ていましたか。

:結構、勉強家でしたね。刑事事件になっていますから、それ以上、私が言うべきではないと思います。

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