菅義偉「安倍首相との間にすきま風は全くない」 ポスト安倍の有力候補「令和おじさん」の言い分
桜の会は「もう少し気をつけるべきだった」
塩田潮(以下、塩田):6月17日に幕を閉じた通常国会では、安倍晋三内閣の「桜を見る会」の問題が続けて取り上げられ、追及が続いていたとき、一方でコロナ危機が発生しました。
菅義偉(以下、菅):「桜を見る会」の問題は国会であれだけ追及され、安倍総理があれだけ答弁しました。まったく総理に問題なかったと思っています。「桜を見る会」を所管する内閣府の大臣官房総務課を担当する大臣は私なので、当然、私も説明しました。
だけど、記者会見などで、公文書管理の問題で細かい条文のことが出てきて苦労しました。何年も前の話で、正直言って、私自身がまったく関与していなかったことばかりでした。政権が長くなり、「桜を見る会」の参加者も、回を重ねるごとに増えていった。もう少し気をつけるべきだったと思っています。会場も広いから、ある程度は増えてもいいだろうという気持ちがあったことは事実です。
塩田:国会に提出された検察官定年延長の検察庁法改正案が5月18日、世論の反発などで成立断念に追い込まれ、おまけに「時の人」となっていた東京高等検察庁の黒川弘務検事長が22日に賭けマージャン報道で辞職となりました。もともと1月31日に行われた黒川検事長の定年延長の閣議決定が首相官邸の強い意向だったのではと問題になっていました。
菅:定年延長の閣議決定は法務省から「黒川さんが必要だ」ということで閣議請議があり、それを認めたということですよ。自然な形だったと思いますね。
塩田:安倍首相や菅官房長官が、次期検事総長にという含みで定年延長を認めたのでは、と疑う見方もありました。
菅:よく言われましたが、まったくそういうことはありません。法務省での話です。法務省から上がってきたものを閣議決定で認めたということです。
それと検察庁法改正は全然別です。高齢化社会を見据えて、高齢期の職員の知識や経験を最大限に生かしたいということで、一般職の公務員の定年を、現在の60歳から65歳に引き上げるべきだという声があり、その中で出てきた。検察庁法も国家公務員法などと一緒にやろうということで、まとめて国会に出しましたが、さまざまな意見が出た。総理は「国民的なコンセンサスが必要。立ち止まって考えたい」と国会でも言っています。法案提出について、改めて検討していくことにしたわけです。
塩田:検察庁法改正は法務省が職員の定年延長を望んだのが原因ということですか。
菅:そういうことです。例えば副検事の人たちも年金を受け取るまで時間が空いてしまうんですよ。定年延長をやらないと駄目なんです。
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