菅義偉「安倍首相との間にすきま風は全くない」 ポスト安倍の有力候補「令和おじさん」の言い分

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塩田:昨年7月の参院選で、定数2の広島選挙区に、自民党は現職だった溝手顕正元国家公安委員長と河井前法相の案里夫人の2人を立て、溝手氏は落選し、河井候補は当選しました。今、この選挙で広範囲な買収行為が行われたと報道されています。

:私はまったく知りません。選挙は党本部の話で、官房長官の私の立場で言うべきことではありません。自民党が参議院で単独過半数を確保するのが至上命題でしたから、あそこは2人当選でいけるという読みで、2人擁立を判断したと思いますよ。

塩田:選挙で党費の中から1億5000万円が投じられたと後に記事になりました。

:それは知りませんでした。参院選では、重点区にはいろいろお金が出ているのではないか。あれは党の正式なお金で、重点区に、という形だったんだと思います。普通は県連に対して出します。河井候補は党本部で公認になったけど、広島県連は受け付けなかったのでしょう。そういう事情はあったんじゃないかな。

塩田:2度目の安倍政権は誕生から7年半を超えました。菅官房長官は発足以来、安倍首相と全任期を共にしていますが、7年余りで安倍首相に大きな変化があったと感じる点は。

第1次安倍政権の反省

:総理は流れを見ながら戦略的に物事を判断しています。1回目の政権のとき、1年で辞めた経験が大きいと思いますね。1回目は重要法案を結構、仕上げた。仕上げれば、国民から評価されると思って、どんどんやったんですが、国民に届かなかった。

(撮影:尾形 文繁)

今回は1つひとつ丁寧にやっています。賛否が分かれるような大きな法案を仕上げた後は少し時間を置いて、政権の支持率や体力を回復させてから、また次の重要法案に挑戦するといったことです。こうして、特定秘密保護法、平和・安全法制、テロ等準備罪を成立させました。テロ等準備罪は過去に3つの内閣が挑戦して失敗したものです。

塩田:これだけはやり遂げたいという未達成の目標は。

:それは憲法改正でしょう。総理ご本人も言っています。

塩田:だけど、自民党総裁任期は残り1年2カ月しかありません。

:でも、6月19日の会食(安倍首相、麻生太郎副総理兼財務相、菅官房長官、甘利明元経産相の4人の会合。『第1部』冒頭参照)でも、総理は「やる」と言っていましたよ。まず議論すればいいんですよ。国民がやれと言っているんだから、当然、国会で議論すべきだと思います。

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