金融資産を捕捉しないと格差は是正できない

マイナンバーと口座のひも付けが必要なワケ

兆円規模の資産を持つ長者は日本にも。ファーストリテイリングの柳井正氏(左)とソフトバンクグループの孫正義氏(撮影:今井康一)

10万円の特別定額給付金の申請手続きで大混乱が生じたことから、マイナンバーカードが注目を浴びている。カードの普及は進んでおらず、政府はあの手この手で利用促進を図っている。カードの利用は行政手続きの効率化や住民の利便性向上という点でも重要だが、筆者は資本主義経済が抱えている格差の拡大という問題を改善するために不可欠だと考えている。本当に難しいのはカードの利用拡大ではなくて、マイナンバーを課税に活用できるようにすることだ。

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日本の家計金融資産は増加を続けているが、その速度はかつてに比べるとかなりゆっくりしたものになっている。

総務省統計局が公表している「家計調査(貯蓄・負債編)」でみると、家計(2人以上の世帯)が保有している金融資産の平均額は2002年1688万円、2019年1755万円で、この間4%しか増加していない。

ところが、日本銀行が発表している「資金循環統計」で見た金融資産は、同じ時期に約1400兆円から1800兆円超へと30%以上も増加している。

2つの統計の違いは大金持ちの捕捉の差?

家計調査は1世帯当たりの金融資産額であり、資金循環統計は日本の家計金融資産の合計なので、比較ができるように両方を1人当たりにしてみると、家計調査では2019年に587万円であるのに対して、資金循環統計では1438万円と大きな差がある。しかも、この違いは2002年には2.1倍だったのに、2019年には2.5倍を超えるほどに拡大している。

この原因としてさまざまなものが考えられるが、筆者は家計調査では大金持ちの資産が調査対象になる確率が極めて低いことが大きく影響しているのではないかと考えている。

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