こうした中で、社会の歪みを指摘し社会のさまざまな問題に対する行政の対応の遅れを嘆く人たちが、格差問題の改善に欠かせないマイナンバーに対してはプライバシーの問題を持ち出して強く反対しているのは、不可解だ。所得のすべてを給与所得からの源泉徴収を通じて把握されているサラリーマンにとって、いまさら所得や金融資産を政府に把握されたからといって、困ることは一つもない。
このままでは格差は拡大する一方だ
格差問題を改善するために政府に新たな手段を与えれば、それが乱用される危険が生まれるのは確かだ。しかし何もしなければ永久に問題は解決されず、事態は悪化する一方だ。格差が拡大し社会の分裂が修復不可能なほどに深刻なものになる前に対応をする必要がある。
政府や政治家に任せきりにして、多くの人が受動的にしか動かなければ、マイナンバーもグリーンカードと同じ運命をたどるだろう。メディアも有権者も反対しないという消極的な姿勢ではなく、マイナンバーと金融機関の口座のひも付けに前向きの姿勢を示さなければ、われわれは格差問題を改善する手がかりを失ってしまう恐れが大きい。
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