「1人10万円」定額給付金をめぐり大混乱した訳 自治体関係者や住民を悩ませた「世帯」概念

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神戸市の人口は約153万人で、世帯数は76万を超える。これだけ膨大な数の給付作業をこなすうえでいちばん手間どったのは、郵送で寄せられた申請書の口座情報の入力だったという。同市はパーソルテンプスタッフと組んで、合計220台のパソコンを用意。送り返されてきた申請書の内容を、スタッフが1件ずつ手作業で打ち込んだ。また、コールセンターにはピークの5月下旬に1日4万3000件の問い合わせがあった。

パーソルは今回、東京都葛飾区や長崎県佐世保市など20以上の自治体から給付金業務を請け負った。同社はこれまで自治体の総合窓口や国民健康保険の窓口業務などを受託運営しており、こうした経験が急きょ始まった給付金業務でも生かされたようだ。

マイナンバーへの紐付けを検討

だが、神戸市のように作業がスムーズにいった自治体ばかりではない。給付金は郵送とオンライン申請の2種類が用意されたが、7月7日現在でオンライン申請を受け付けていた1709自治体のうち、101の自治体がオンライン申請を取りやめた。

6月7日にオンライン申請を中止した東京・江東区の担当者は「おそらくちゃんと申請できているのか不安なためだと思うが、何回も申請する住民もいて、最高で4回申請する人もいた。オンラインは申請者が自由に入力できるため、申請内容が正しいかの確認を1件1件紙に打ち出して照合した」と話す。

首都圏の別の自治体の担当者も「制度の詳細が定められず、裁量の余地がわからない中での作業だった。人口規模や置かれた状況が違うのに、支給の早い遅いを自治体間の競争のように比べられるのは正直苦しい」と漏らす。

こうした状況を受け、新たな動きも出ている。

「1人1口座をマイナンバーに紐付けることは、できれば義務化をさせていただきたい」。高市早苗総務相は6月9日の会見でそう発言し、6月23日には首相官邸でマイナンバー制度を基盤としたデジタル社会構築を検討するワーキンググループの検討も始まった。

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