婚活で「既婚者というババ」を引いた彼女の決断 妻からの500万円の慰謝料請求に2人は…

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Zoom画面越しで笑っている真由さんは元アイドル並みの美形である。結婚するまでは歯科衛生士として働きつつ、夜はホステスのアルバイトもして旅行資金を作っていたらしい。

よくしゃべりよく笑い、脇も甘そうで(失礼)、目を引く美人。モテないはずはない。10代の頃からパートナーはつねにいたという。ただし、男友達は多くても浮気などは一切せず、恋人とは「最低でも5年」は付き合ってきたと真由さんは振り返る。

「7年付き合っていた3歳上の彼からプロポーズされたのは35歳のときでした。直感で断りました。半分同棲をしていましたが、一緒の時間を過ごしているだけで私は満足だったからです」

彼は結婚したいのだから別れるしかない。別れ話をしていると、その匂いを嗅ぎつけたのかさまざまな縁談が持ち込まれるようになった。職場である歯科医院と趣味で通っているスイミングスクール。患者とスクールの知人は親世代が多く、「うちの息子と合わせたい」という依頼が相次いだのだ。

「それがすごいストレスでした。仲よくなった人たちの紹介だから、会ってしまったら断りにくいからです。私はNoと言えない日本人だから……。自分は離婚している母も『失敗してもいいから一度結婚してみたら』なんて言うんです。悩みすぎて死にたくなりました」

友人の結婚を機に婚活サイトに登録

そんなときに女友達から「結婚する」との連絡が入った。旅仲間の1人で、ダイビングに出かけては現地で知り合った男性をつかまえるという「肉食系」の女性である。それが結婚情報サービスを通してお見合いした男性とわずか3カ月で結婚を決めた、というのだ。1人で自分たちきょうだいを育ててくれた父親をそろそろ安心させたい、という理由だった。

しがらみのない婚活ならば気楽にできるだろうし、いい人に出会えれば自分の気持ちも変わるかもしれない──。真由さんは登録無料で月会費も格安の婚活サイトに登録。海辺で乾杯している写真を使ったプロフィールを載せてみた。すると、初日で92人もの男性からメッセージが来たという。

「僕じゃダメですか?なんていう重いメッセージを最初から送ってくる人もいました。軽いノリで登録した私は場違いだったんです。文章のコピペのやり方も知らなかったので、一人ひとりに『退会します』という謝罪文を書いて送っていたら、3分の1にも達しないうちに1日が終わってしまいました」

しかし、行動をするとよくも悪くも状況や心境が変わっていくのが婚活である。謝罪文を送り、その返信をもらっているうちに「この人のメッセージを読むのは楽しみ。感覚が面白い。友達になりたい!」と思える男性が10人ほどできた。彼らとはメールアドレスを交換して、婚活サイト自体は退会した。登録から1カ月後のことだった。

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