MMTでは解決しない「日本人の給料安すぎ問題」 労働生産性向上のため「産業構造」を転換せよ
MMTは「給料安すぎ日本」の救世主になるか
先日発表した「日本人の「給料安すぎ問題」の意外すぎる悪影響」という記事に対して、ある方のツイッターで以下のような指摘をいただきました。
「アトキンソン氏のお話は先日ある学界で聞いたが、端的に言ってマクロ経済の理解を誤っている。GDP=人数×生産性なる数式を出して、小企業を淘汰して生産性を上げれば日本は成長するという。逆です。生産性=GDP÷人数だから、積極財政で成長させることが第一です」(原文ママ。改行は引用者が調整)
この意見には「給料安すぎ問題」に対する興味深い示唆が含まれているように感じたので、今回取り上げることにしました。
「GDP=人口×生産性」も「生産性=GDP÷人口」も数学的には同じことですが、言わんとする意図は伝わります。この意見は、「政府が財政支出を増やせばGDPが増える。生産性=GDP÷人口なので、生産性を上げることもできる」と解釈できると思います。
従来の考え方では、政府の支出は増税か国債の発行によって調達されるので、財政の健全性が問われて、上限があると言われていました。国の借金が1000兆円を超えている今の日本では、政府支出をこれ以上増やすのは難しいと考えられてきたのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら