「就活生ウケする取り組み」はここまで変わった チャレンジ支援激減、「制度」求める学生多数

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学生の企業への不満は毎年似通っており、「建前ばかり」「いいことしか言わない」と大人への不信がかなり多いが、コロナ禍はそんな建前では乗り切れない。企業の非常時瞬発力、変化対応力、本気度がコロナ対策で露わになった。的確な対応をした企業への評価はとても高い。

「コロナで延期などせず、すぐWeb面接に切り替えた企業」(文系・旧帝大クラス)

「コロナへの対応が早く、早期から最終面接までWeb面接の実施を決定していた」(理系・その他私立大)

もちろん従来の採用手法を押し通し、学生との対面コンタクトを求める企業もある。学生はこういう企業に対する志望度を下げている。

「オンライン化への対応が遅い、またはコロナの影響下でも対面を求めてくる企業に対しては志望度が下がった」(文系・早慶大クラス)

2022年卒採用でも新型コロナウイルスの影響は続くだろうが、従来の採用手法が通じないと覚悟すべきだ。オンライン選考に慣れて、技を磨く必要がある。

「くるみん」認定が新たな評価基準に

企業に対する学生の期待を語る言葉として、数年前までは「ワーク・ライフ・バランス」がよく使われた。この言葉が頻繁に使われるようになったのは、2007年に「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」が策定された頃からだ。以来、働き方を語るときに必ず使われ、企業も理念を述べるときに頻用したから学生はよく知っている言葉である。

ところが、今回の調査でこの言葉を使った学生は1人しかいない。「くるみん(ワーク・ライフ・バランスを重視している)認定の会社かどうかは志望度に関係した」(文系・早慶大クラス)だけだった。

この学生も「くるみん」の説明としてワーク・ライフ・バランスを使っている。むしろ、この「くるみん」認定が女子学生を中心に評価されてきている。

女性活躍推進は国の最重要施策の1つで、その推進目標を一定程度満たしている企業に対して国が認定する制度がある。その中でもっとも歴史が古いのが、2007年スタートの子育てサポート「くるみん」(厚生労働省)だ。「くるみん」認定を受け、高い水準の取り組みを行っている企業に対しては2015年から「プラチナくるみん」という認定制度も始まっている。

「くるみん」は、次世代育成支援対策推進法に基づいた子育てにフォーカスした制度だが、2016年に施行された女性活躍推進法に基づく認定制度としては、「えるぼし認定」(厚生労働省)がある。また、経済産業省では2012年から女性活躍推進に優れた上場企業に対し「なでしこ銘柄」の選定を行っている。

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