初代レクサスLS400「世界に与えた衝撃」の回顧 200km/h超の領域でも感じたケタ外れの静粛性
初代「レクサスLS400はすごかった!」
日本車の第一次黄金期は1960年代後半。カローラ、サニー、フェアレディ、トヨタ2000GT、コスモスポーツ……歴史に残る、記憶に残る名車が続々と誕生した。
僕が自動車ジャーナリストとしての仕事をスタートしたのは1964年。だから、第1次黄金期にピタリとタイミングは合っている。つくづくラッキーだったと思う。
そして、第二次黄金期は1980年代後半。日産R-32型GT-R、ホンダNSX、レクサスLS400、マツダ・ロードスター、インフィニティQ45 、7代目カローラ、、まさにそうそうたる顔ぶれが誕生した。
このうち、ホンダNSXを除くクルマの開発にすべて関われたのだから、どうみても「超ラッキーだった!」というしかない。
R32型GT-Rと7代目カローラへの関わりはすでに書かせていただいたが、今回は「レクサスLS400」との関わりについて書かせていただく。
レクサスLS400の誕生は、世界を震撼させた。とくに、振動と静粛性、精緻な造り込みは、世界のプレミアム戦線に強烈な衝撃を与えた。
僕は主に、東富士と北海道士別試験場での開発作業に参加したが、とくに最終仕上げ段階で、全長10kmの周回路(1987年完成)をもつ士別が使えたのは大きなプラスになった。
LS400は、日常領域からアウトバーン領域まで、超一級の静粛性と快適性、かつ高い安心感と優れた燃費の達成を目標にしていた。とても重い課題だった。しかし、それを達成できたひとつの理由が、全長10kmの士別周回路にあったことは疑う余地もない。
士別周回路は、日常域から200km/h超えのアウトバーン領域まで、多くのトライに集中させてくれた。そのお陰で、数々の課題を拾い上げることができた。