コロナ後の職場で増える「ざんねんな人」図鑑 困った人に同僚・上司・部下はどう接すべき?
妄想属が抱えている問題は、この想像と現実の不一致が原因となっています。とくに想像を現実と取り違えていると、一体感を高めるのにひと役買うこともありますが、現実が見えにくくなる場合が多く、厄介です。
妄想属の言動は言い訳のようにも聞こえますが、本人の中では想像が現実より先行しており、想像のほうが正しいと思っています。だから、「現実と異なるウソ」を自覚して表明しているのではありません。
彼(女)らに「それは単なる想像だ」と自覚させるには、現実を知らせることが重要です。ところが、妄想属に現実を知らせても反応は多様です。「それはフェイクだ」と、かたくなに拒否するケースも見られます。
一般に、現実に即した報道がなされても、あらゆる報道内容を疑うことができます。「メディアは政府の隠れた陰謀で動かされ、現実でないことを私たちに『現実である』と思いこませようとしているのだ」と考えればいいのです。
周囲ができることは限定的
これは「陰謀論」と呼ばれ、どんな情報もフェイクとして無視できる万能の方法です。陰謀論を唱えるほどの、かたくなな妄想属には、打つ手がありません。
周囲ができることは、現実を受け入れて想像を訂正できる一部の妄想属に、訂正の手がかりを提供することくらいでしょう。まずは、「それは想像にすぎず、現実と違うよ」と伝えてみて、想像の訂正もいとわない姿勢があるかどうかを判定してみましょう。
謙虚な姿勢があれば、妄想属を脱却する脈があるということです。傲慢な妄想属が管理職に就くと最悪です。うまくいってない現実を無視して、理想を追い求めてしまいます。企業では「3年赤字が続いたら管理職は退陣」などと決めていますが、妄想属に食いつぶされないための工夫です。
お昼時になるとLINEの通知が鳴り、何やら真剣に見ている様子。「これ、今週の運勢なんだ」。聞けば、すごく当たる占いなのだそう。よくよく読んでみると、誰にでも当てはまりそうな言葉が並んでいるにもかかわらず、「占い師の○○さんはすごい」と感じ入っています。
意味不明で抽象的すぎる予言でも、自分の中で適度に読み変えて納得している様子も見られます。占い師は新型コロナウイルス感染症の流行や世界的不況などの事態も予想していたと当人は主張していますが、そこには何にでも当てはまりそうな不安と変化を煽る文章しかありません。
「共感力が高い」ともいえますが、「過剰に自分に都合よく解釈している」ともいえるでしょう。そもそも、自分の悩みや事態をきちんと把握していない可能性も高そうです。
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