南アフリカ現地ルポ--勃興する黒人中間層、黒いダイヤの光と影



 それでも、渋滞しがちな高速道路の拡幅工事が至る所で行われているほか、サントンでは新しいホテルを建設する巨大クレーンが立ち並んでいる。スローペースではあるが、W杯開催を直前に控え、ヨハネスブルクの街は活気づいている。

かつて原発を自主開発 高度な技術力の蓄積

南アのGDPは、神奈川県内生産とほぼ同規模の約2800億ドル。全アフリカの3割弱、サブサハラ地域の4割を占めるアフリカ最大の経済大国だ。

2008年秋の金融危機の影響で、主力産業である鉱山の稼働などにブレーキがかかり、08年第4四半期から3四半期連続でマイナスになったものの、09年第3四半期には年率0・9%増とプラス成長に復帰。底堅い経済成長を維持している。

南アの特徴は、人口4800万人のうち約10%を白人が占めていること。17世紀以来、オランダ人、続いてイギリス人、迫害を逃れたユダヤ人などさまざまな国から白人が移住してきた。

黒人が80%と圧倒的だが、カラード(白人と黒人の混血)やインド系住民も多く、多種多様な肌の色が共存する「虹の国」が、この国の愛称だ。

そして、94年の選挙以前は少数派の白人が政治、経済を支配する国だった。アパルトヘイト時代、人種差別撤廃を求める国連、主要国は、南アに対して経済制裁を行っており、石油などのエネルギー確保に苦しんだ。そのため白人政権は高度な技術立国を志向。石炭の液化技術を発明し、自主開発した原発を稼働させ、原爆の開発まで進めた異色のアフリカ国家だった。

白人支配時代の蓄積により、南アには資源企業など欧米企業社会と密接に結び付いたグローバル企業が育っている。

94年以降、政権与党となったANC(アフリカ民族会議)政権はそうした大企業の継続を許す一方、黒人の経営参加を義務づける「BEE(ブラック・エコノミー・エンパワーメント)政策」を実行した。

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