南アフリカ現地ルポ--勃興する黒人中間層、黒いダイヤの光と影

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ズマ新大統領は失業対策を優先課題に

失業率の高さも問題だ。南アの失業率は高く、20%以上に及ぶ。労働者の権利が手厚く保護されているため、企業経営者は機動的な首切りはできない。そのため、企業は正社員の雇用を手控える傾向にあり、慢性的な職不足だ。

失業者は裕福な住居に侵入し強盗を働く。住居への夜間の強盗は1日675件も発生しており、尋常ではない。

09年5月に発足したジェイコブ・ズマ政権が最優先課題として雇用創出を掲げ、09年中に50万人、14年までに400万人の新規雇用を生み出すことを宣言したのも、W杯を前に治安問題を少しでも改善するためだ。

エイズも頭の痛い問題。南アでは成人のエイズ感染率は20%。妊婦の感染率も高く、平均寿命は下がり続けている。政府が「レモンとガーリックを食べればエイズは防げる」と説いていた時期もあり、エイズへの対策は遅れに遅れている。経済的損失は大きく、平均寿命を引き上げなければ早晩、経済成長に急ブレーキがかかるとの指摘もある。

これらの難題をひとつずつ改善していけば、「虹の国」はいっそう輝きを増すことになるだろう。

(週刊東洋経済)

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