インドで働く日本人社員をいかにケアするべきか?-第3回(最終回)「セキュリティと健康」編
先進国を尻目に経済成長の続くインド。今後、インドへ進出する日本企業は増加するに違いない。しかし、苛酷な環境下で日本人社員の心身の健康を守りながら、モチベーションを維持させるのは容易なことではない。
三菱化学・人事部労制グループ・後藤啓グループマネジャーにインドにおける日本人社員のマネジメントについて聞いた。
--家族の生活も大変そうですね。
90%が単身赴任です。会社として家族帯同は勧めません。
勧めない理由の第1は医療の問題です。現地には日本語の通じる病院がありません。英会話が堪能な人でも医療用語はわからず、医師との意思疎通がうまくいかない場合があります。
特に、子どもが病気になった時は日本語が通じなければどうにもなりません。
第2の理由は子どもの学校です。デリーやムンバイには日本人学校がありますが、ハルディアはもちろん、コルカタにも日本人学校はありません。インターナショナルスクールはありますが、日本人の希望にかなう教育環境とはいえません。
家族を連れて来たい場合は、まず社員本人が先に赴任し、生活環境を確かめてから呼び寄せるようにさせていました。私の家内も任期最後の1年間はインドに住みました。
健康診断は年に2回
--医療面のサポートは?
インドへ行く前にA型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病の予防接種を受けさせます。野犬がよくうろうろしているので、狂犬病には要注意です。