番号順にリストラされる「米国流整理」の理不尽 日本の年功序列とは似て異なる驚きのルール

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海外では「Nenko System」という名でよく知られる日本「年功序列」は、勤続年数、年齢などに応じて役職や給与を上げる制度のこと。シニアが厚遇されるといっても、社員同士がより有利な条件を取り合う、シニオリティ・ルールとはまったく性質が異なっている。

シニオリティ・ルールで動く会社では、仕事ができる、できないに関係なく、長く勤めているからという理由だけで優遇されるため、職場のモラルが下がったり、ほかの従業員の意欲が削がれるケースも多いという。

ポストコロナ時代で生き残るには

実際にはアメリカ社会でも、最近では「レイオフ」も「リストラ」と同じ意味に変わりつつあり、再雇用はほとんどないという声も聞かれる。

破産申請を行った世界的なエンターテインメント企業、シルク・ドゥ・ソレイユは約3500人のレイオフを発表したが、長引くコロナ禍の下では再雇用される保証はどこにもない。IT関連などのテクノロジー企業では、結果を重視する実力優先主義の企業がほとんどだが、はたしてポストコロナ時代、会社の中で生き残っていくにはどうしたらいいのか。

「年功序列が崩れてから、従業員は出世イコール実力主義だとハッパをかけられ、成果主義という言葉をエサにあおられてきたように思います。成果を出しても、次の年にはまたゼロからのスタートになってしまい、権利を意識する間もない。今さら日本ではシニオリティ・ルールは根付かないでしょうが、ポストコロナの時代は、最低限の権利を獲得できる環境で仕事をすることが大事なのだと思います」(50代、元外資系企業人事担当)

自分の会社は、最低限の権利を守ることができる会社なのか。世界的に雇用不安がささやかれる中だからこそ、今一度、自分の会社の制度と自分が望む雇用がマッチしているか、再点検する機会にしてみてもいいかもしれない。

草薙 厚子 ジャーナリスト・ノンフィクション作家

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くさなぎ あつこ / Atsuko Kusanagi

元法務省東京少年鑑別所法務教官。日本発達障害支援システム学会員。地方局アナウンサーを経て、通信社ブルームバーグL.P.に入社。テレビ部門でアンカー、ファイナンシャル・ニュース・デスクを務める。その後、フリーランスとして独立。現在は、社会問題、事件、ライフスタイル、介護問題、医療等の幅広いジャンルの記事を執筆。そのほか、講演活動やテレビ番組のコメンテーターとしても幅広く活躍中。著書に『少年A 矯正2500日全記録』『子どもが壊れる家』(ともに文藝春秋)、『本当は怖い不妊治療』(SB新書)などがある。

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