新型コロナウイルスの感染が広がっている東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県を対象に安倍晋三首相は緊急事態を宣言した。期間は5月6日まで。ただ、休業補償が明言されず、政府が提案した事業者への支援策に反発の声も上がっている。
感染拡大の影響が多方面におよび、日本の労働市場も影響をもろに受けている。全労働者の約38.4%(労働力調査2019年10~12月期の結果より)まで非正社員は拡大しており、非正社員なくして成り立たない企業も多い。コロナショックの影響で実際には非正社員の雇い止めが生じていたり、収入が急減し不安定な生活を強いられている労働者も少なくない。
東洋経済オンラインは上場企業で働く非正社員の実態を毎年調査している。今回のランキングでは非正社員比率の高い会社を紹介したい。
有価証券報告書にはいわゆる「非正規社員」が「臨時従業員」として規定され、その数が全従業員数の1割以上を占める場合、年間の平均人数を開示することが義務づけられている。
そこから、上場企業の非正規社員比率を割り出して、上位500社をランキングした。
データは各社の決算期に合わせて、2018年12月期~2019年11月期の有価証券報告書より取得した。非正社員数、従業員数、5年前と比べた非正社員の増減数も併載している。5年前との変化を比較することで、各企業が置かれた状況や人事戦略の一端もわかるだろう。
業績好調と不振が併存
昨年のランキング結果同様、100円ショップチェーンのセリアが95.9%でトップに。セリアは、デザイン性の高い商品ラインナップで人気を集める業界2番手だ。全国への新規出店を加速する格好で、非正社員数も大きく拡大している。続いて東京個別指導学院の95.5%となった。
トップ10の業種は、流通・小売りや外食関連産業などサービス系がほぼ占める結果となった。ココスジャパン、パレモ・ホールディングス、CSSホールディングスがトップ5に入った。
3位のココスジャパンは92.3%となった。なお東証1部上場のゼンショーホールディングスの子会社である日本レストランホールディングスがココスジャパンを株式交換で完全子会社化。 それにより2020年2月18日に上場廃止となっている。直近の有価証券報告書(2019年3月期)提出時点で上場している企業を対象としているため、今回ランクインした。
非正社員比率が90%以上の企業は7社、80%以上は89社だった。一般的な従業員より非正社員の人数が多い会社(非正社員比率50%超)は453社あった。
観光・宿泊、外食業界などは特にこのコロナショックの影響を大きく受けている。経済全体が停滞する中で企業はどのように雇用を維持していくのか、難しいかじ取りが続いている。