中国テレビ市場、安価な液晶テレビが売れ続け泥沼の価格競争に

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 映像がきれいな液晶テレビは、大多数の液晶テレビになんとなく興味を持つ消費者に対して訴求力を持つのかといえば、微妙なところだ。

日本では液晶テレビはデジタル放送、ブルーレイとセットとなり、ハイビジョンコンテンツを楽しむ消費者が一般的。だが、中国においては肝心のコンテンツが劣化の一途をたどっている。海賊版コンテンツがキラーコンテンツとなってしまっている環境のため、DVDはおろかその前世代のVCD(Video CD)もいまだに現役で売られている。

中国で流通するハイビジョンのコンテンツというと、ブルーレイや中国版HDDVDこと「CBHD」がある。しかし、ブルーレイはまだしも、中国政府が独自技術としてプッシュするCBHDは、人口数百万の大都市でさえ扱う店は1,2店があるだけで、ハイビジョン製品のカンフル剤とはなっていない。

一方でカンフル剤となっているのは日米で発売されたブルーレイビデオの海賊版。上海などの大都市やオンラインショッピングサイト上ではブルーレイの海賊版が堂々と販売されている。一方、地方都市では、パッケージはブルーレイ版のままで、DVDプレーヤーで見られるように解像度を落としデータサイズを小さくした海賊版DVDとして販売されている。

つまり上海などの裕福な大都市では、ブルーレイソフト(の海賊版)が充実し、液晶テレビも高級機である日韓メーカーが人気。地方都市ではDVDと「とりあえず液晶テレビ」の組み合わせがメジャーなわけだ。

その海賊版DVDを食わんばかりの市民権を得ようとしているのが動画共有サイト。こちらはハイビジョン対応のコンテンツもあるにはあるが、ほとんどは低解像度のものばかり。中国でもテレビがアナログからデジタルへの移行途中だが、そもそもテレビ番組がつまらない、利用料金が高いと不評だ。つまり地方都市においてはなおさらのこと、ハイビジョンのコンテンツが不在となっている。

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