中国テレビ市場、安価な液晶テレビが売れ続け泥沼の価格競争に
もっとも最近になって、中国メーカー各社は「とりあえず液晶テレビ」の価格競争のみの状況を打破すべく、違いの差がほとんどないシンプルな液晶テレビから、付加価値をつけた(中国国内においては)次世代の液晶テレビをラインアップにいれ、それらをプッシュするようになってきている。ベクトルのひとつに「インターネット液晶テレビ」、もうひとつに「LEDテレビ(LEDをバックライトに使った液晶テレビ)」がある。
ネットテレビは、メーカーが動画共有サイトと提携するか、自前で動画サイトを作ることで、オンデマンドでコンテンツが見られるテレビだ。
しかし、ネットテレビの課題として、当局によるトコンテンツの検閲に加え、そもそも茶の間でテレビを見る中高年世代はネットに触れない世代であるということがある。
つまりターゲットとなる居間でテレビを見慣れた中高年の消費者は、ネットテレビを扱えないし、そもそも興味がない。ネット世代の若者はテレビのリモコンではなく、マウスとキーボードを使い、パソコンで見たいコンテンツを見るのでネットテレビは不要だ。
もう1つのLEDテレビは、薄くなったとはいえ、中国メーカーのそれは韓国メーカーや日本メーカーのそれと比べると厚い。ブラウン管テレビから液晶テレビは誰が見てもわかる違いゆえに売れた。それは中国においては所得が増えたことにより、デスクトップパソコンの所有者がノートパソコンを購入したり、コンパクトデジカメの所有者がデジタル一眼レフカメラを購入したりすることに似ている。
若干のマニアな消費者を除いた一般的な消費者は、ノートパソコンの“ささいな”薄さの違いや、デジタル一眼レフの“ささいな”スペックは気にせず、ノートパソコンやデジタル一眼レフを買い、所有することで物欲を満たしている。