「エコバッグを洗わない人」に迫る怖いリスク 「レジ袋有料化」の今こそ気をつけたい

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日本チェーンストア協会の調査によると、レジ袋辞退率は2002年には8.03%にとどまっていたが、2014年に50%を超え、今年3月には57.21%まで増加している。

「環境を守るため、エコバッグでもご自宅にある袋でもかまわないので、お持ちいただきたい」(同協会の担当者)

とはいえ、新型コロナウイルスの感染事例はなくなっておらず、エコバッグを使い回すリスクは知っておきたい。

日本感染症学会の指導医で東京歯科大学・市川総合病院の寺嶋毅教授(呼吸器内科)は、素材ごとに異なるウイルスの生存期間について次のように話す。

布製バッグには1日、プラスチック製には4日間ぐらい付着している可能性があります。ビニール製やナイロン製など表面がツルツルしている素材はプラスチック製と同等とみなせるので、ウイルスは長く付着します

商品を詰める台上でウイルスが付着!

また紙袋は品質によって生存期間の差が大きいという。

水にぬれやすい普通の紙では3時間程度しか付着できませんが、紙幣のようにツルツルして水が染み込みにくい上質紙では4日間付着していたといいます。捨てるには惜しい高級な手提げ紙袋は、1度使ったら、4日間放置してウイルスの死滅を待ってまた使うといいでしょう」(寺嶋教授)

すぐ破れる紙袋ではウイルスは短命で、丈夫な紙袋では長生きするから悩ましい。

感染防止の観点からみると、バッグはどのように取り扱えばいいのだろうか。

東北大学病院・感染管理室の徳田浩一室長は「店員さんに任せず、自分で商品をしまいましょう」と助言する。

他人の手が触れると感染リスクは上がります。お釣りもトレーでやりとりするようになりましたし、コロナを避けるためには“セルフ”を心がけたい」(徳田室長)

注意すべきなのは持ち手の部分や、商品が直接触れる内側のほか、こんな盲点も……。

スーパーで会計をすませたあと商品を詰める台の上では、バッグを置いたときに底の部分が汚染されるかもしれません」(徳田室長)

感染症専門医で東京・品川区の『KARADA内科クリニック』の佐藤昭裕院長は、

「自宅で保管しているレジ袋をバッグがわりに使ってもいい。日にちがたっているものであれば、ウイルスは死滅していますから」と付け加える。

重いバッグを担いで帰宅したあとも気は抜けない。

「部屋までバッグを持ち込まず、玄関先で商品を取り出してはどうか。バッグをアルコール消毒するつもりならば拭きやすいビニール製などを選ぶといいでしょうし、洗うつもりならば布製がいいのではないか」(前出・徳田室長)

前出の寺嶋教授は具体的な洗浄方法を説明する。

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