Jリーグ再開でも続くクラブ経営の厳しい行方

人気チーム浦和レッズで10億円赤字の可能性

この苦境下で、今、多くのJクラブが活路を求めようとしているのが、試合時のギフティング(投げ銭)だ。13日の浦和対町田ゼルビアの練習試合(30分×4本)がYouTubeで放送されたが、浦和側はクラブOBによる解説番組を別途企画し、投げ銭を募る形を取った。

試合視聴者が最大4万7000人にのぼったのもプラスに働き、最高10万円の投げ銭を投じるサポーターも出現した。クラブ側は収入総額を明らかにしなかったが、仮に視聴者の10%が1000円ずつ投げ銭したとしても、470万円の収入になる。

「(平常時では)最低でも1試合5000万円前後の収益がある」(浦和・立花代表)という金額には遠く及ばないかもしれないが、多少の穴埋めにはなりうるだろう。「今はどんな収入でもほしい」というのがJクラブの本音だ。

地域差や年齢差によってITリテラシーに差があるため、すべてのクラブにとって有効とは言い切れないが、大都市圏のクラブはより積極的にトライしていくのではないか。すでに鹿島アントラーズもクラブイベントや練習試合でギフティングの実施に踏み切っているが、再開時の各クラブの動向が気になるところだ。

サポーターが喜ぶグッズ通販の強化も重要

次に、グッズのネット通販(EC)強化も収入増の重要な方策だ。

「コロナ禍で外出しづらい今、Jクラブが収入を増やせる唯一の策がEC」と浦和の立花代表も4月時点でコメントしていた。厳戒態勢時へ移行し、50%の観客入場可能になった時点でスタジアムの飲食店やグッズ販売も再開されるが、それまでは「試合に行けない前提」で物販のテコ入れ策を考える必要がある。ECなら新商品が出れば手軽に買えるし、サポーターの満足度も高められる。

たとえば、J屈指の企画力を誇る川崎フロンターレでは、「リスタート」と銘打ってTシャツやタオルマフラーを売り出したり、「再買(さいかい)グッズ」と銘打って、マスコット「カブレラ」のロゴが入ったTシャツやベビーユニフォーム、ドッグウエアなどを新たに発売。熱狂的サポーターから支持を受けている様子だ。同様の取り組みを多くのクラブが行っていくはずだ。

次ページ地域に密着したサイドビジネスの展開も
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