主人公・アキコ役には女優の平祐奈を起用し、天然キャラの父親・健一役はハマり役と評判の高橋克典が演じる。そして彼氏候補の役回りを井上祐貴が演じ、その2人に振り回されながら、アキコが漫画家を目指す姿を1話15分×全10話にわたって描く。監督はドラマ「忘却のサチコ」や多くのテレビCMを手掛ける石井聡一氏が務め、脚本は俳優としても活躍する池田鉄洋(脚本家としての名義は池田テツヒロ)が担当している。
「(東村アキコの)ほぼ実話」がうたい文句で、原作者の東村アキコも自らツイッター上で「私の初期の最高問題作『ひまわりっ健一レジェンド』がテレビ宮崎でドラマ化され、夕方のニュースの時間に放送されるというめちゃくちゃなことにこれからなります!!」と、応援モードで紹介している。
第1話の接触率は21.1%(スマートテレビ視聴ログデータ「Media Gauge TV」インテージ調べ)と、前週の同時間帯のそれを大きく上回り、他局を大きく引き離している。6月8日からは全国向けに見逃し配信も始まり、第1話配信翌日のTVerランキングでは14位まで浮上した。
地元放映に続きTVerで見逃し配信開始
キー局制作の大ヒット過去作なども並ぶなか、十分健闘しているといえるだろう。SNS上でも「てげ面白いっちゃけど!ずっと笑ってた!」「原作の再現率高め」「UMK(テレビ宮崎)が想像以上のドラマ作ってる」などと好意的な声が並ぶ。
宮崎ローカルでの放送は6月12日に最終回を迎えた。これまで準備を重ねてドラマに初挑戦し、こうして無事に実現できたことにテレビ宮崎局内に安堵の空気が流れることは想像に難しくない。2週間にわたって「夕ドラ」枠として放送され、地元の視聴者からはドラマ『ひまわりっ』ロスが生まれているという。
しかし、テレビ宮崎にとっては、これは始まりにすぎない。「東京並みのドラマ」の制作をきっかけに、局のさらなる発展を目指しているからだ。
そもそもドラマ『ひまわりっ~宮崎レジェンド~』はテレビ宮崎の開局50周年プロジェクトの取組みの中から生まれた。自局らしさを求めた自社制作の報道やバラエティー番組はこれまで数多く作り出してきたが、ドラマだけは手を出していなかった。
むしろ「手を出せなかった」というほうが正しい言い方なのかもしれない。なぜなら、ローカル局でもネットワークの中心となる基幹局の立場であれば、体制を築く道が多少は開かれている。実際にHTBの連続ドラマ『チャンネルはそのまま!』や東海テレビのドキュメンタリー映画『さよならテレビ』など、全国で話題になるローカル発番組も増えている。長年にわたって制作ノウハウを築き、ローカル放送以外にも展開を広げる手段も構築してきている。
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