「舞台俳優・監督5万人」仕事が再開できない訳

アメリカでは劇場再開のメドが立っていない

記者会見を行ったアメリカの俳優公正協会(写真:Sara Krulwich/The New York Times)

アメリカの俳優や舞台監督5万1000人が加入する労働組合「俳優公正協会」は5月下旬、記者会見を開き、信頼度が高い迅速検査と、広範な接触者追跡システムが導入されない限り劇場を再開すべきでないとの考えを表明した。

同協会は4月24日以降、全組合員に対し、直接会って行うオーディションやリハーサル、公演への参加を禁じている。記者会見では、規制の解除に向けた状況は整っておらず、当面は解除は難しいとの見方を示した。

「組合員全員が失業状態」だが…

この夏、いくつかの劇場が公演を行う意向を示している点について聞かれると、同協会のメアリー・マコール専務理事は「いかなる(公演)計画を承認する段階にはない」と述べた。つまり「組合員は仕事に出るべきではない」ということだ。

協会は伝染病学の専門家デービッド・マイケルズの力を借り、組合員の職場復帰を認めるために満たすべき条件のリストを作成している。マイケルズはオバマ政権で労働省の労働安全衛生局長を務めた人物だ。マコールは「組合員全員が失業状態」だと認めつつも、劇場が安全にならなければ職場復帰はできないと述べた。

具体的な手順についてはまだ検討中だが、同協会は満たさなければならない4つの「原則」を記者会見で明らかにした。それは「流行が収束し、効果的な検査が行われ、周辺地域で新たな感染がほとんど見られず、接触者追跡システムが導入されること」だ。

同協会はまた、「感染の可能性のある個人を直ちに特定して隔離できる」ようにならない限り劇場の営業を再開しないよう訴えかけていくとしている。劇場にも労働条件にも手を加える必要があるかもしれないし、組合員と劇場のプロデューサーが感染拡大の防止に向けて協力していくことになるだろう。

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