「パクりまくる中国」に日本が勝てない深い事情 マネの放棄は「学びの放棄」と同意義である
「学ぶは、真似る」という言葉の通り、マネの完全放棄は、学びの完全放棄といっても過言ではない。そのマネ・学習が、ビジネスで行われることに何も不思議はない。ベンチマーキングとは、伝承と進化に欠かせないスキルなのだ。
「日本のメーカー」もパクって成長してきた
中国と対照的に、日本は総じてベンチマーキング・スキルが低い。しかし、第二次世界大戦後の大昔にさかのぼれば、多くの日本メーカーが、このスキルを発揮することで飛躍を遂げてきた。
自動車や家電製品など、欧米の進んだプロダクトを取り寄せては分解し、構造を学び、まずはコピーした。そして、特長を見つけたら、さっそく自社のプロダクトに取り入れ、少しの差別化を加えて新商品としてリリースしていった。日本が誇った「メイド・イン・ジャパン」の背景には、ベンチマーキングが確実に存在していたはずだ。
それがいつからか、オリジナル信仰を持つように変わってしまった。「もう学ぶことはない」とおごり、他社に学ばず、他国に学ばず、自社流・自国流に固執するようになった。
気づけば、平成の失われた30年間にわたって、日本企業からイノベーションは生み出されなくなり、停滞を続けている。自らベンチマーキングを放棄しているにもかかわらず、昔の自分たちと同じように、中国がベンチマーキングから価値を生み出していく様子に、うしろ指を指しているのが日本の現状だ。
古典的に言われているように、イノベーションとは「New Combinations(新たな組み合わせ)」である。イノベーションを生み出すためには、「新たな組み合わせ」に使える多種多様なパーツを用意しておく必要がある。
だからこそ、自社ビジネスや同業ライバル企業のビジネスの分析はもちろんのこと、他業種、他国のビジネスにまでアンテナを張っておき、優れたビジネスの特長をパーツとして頭の引き出しに入れておくことが重要となる。
日本で新たなイノベーションを生み出すためにも、「学ぶは、真似る」を思い出し、まずはベンチマーキングの習慣づけから始めたほうがいいだろう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら