中国のキャッシュレス「物乞いまで」浸透した訳 政府による「GAFA締め出し」が功を奏した
初めて中国を訪れた人が口をそろえて驚くのは、サービスや小売りにおける徹底したキャッシュレス化だ。コンビニやタクシーはもちろん、個人経営の飲食店や雑貨店、道端の屋台、果ては路上の物乞いまでもが、「QRコード」を使ったキャッシュレス社会を生きている。
スマホなしでは生きてはいけない
物乞いがキャッシュレスというのを最初にニュースで知ったときは、特殊事例なのではないかと思って半信半疑だったが、実際に上海の街中を歩いてみると、ごく普通に遭遇した。
フードコートで食事をしていた際、目の前にA4用紙を見せてくる老婆と女児の2人連れが現れた。紙を見ると、「病気を治療したいのです。助けてください。ありがとうございます」とメッセージがあり、その横にQRコードが貼られていた。
こうした様子を見て、「物乞いがスマホを持つなんておかしい! ぜいたくだ!」と考えるのは、日本人の感覚が古いせいかもしれない。逆にいえば、中国では物乞いですら“スマホがないと生きていけない社会”なのである。
社会の貧困層にまで、スマホとキャッシュレス決済が普及し、それなしでは生活が成り立たないのだ。
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