中国のキャッシュレス「物乞いまで」浸透した訳 政府による「GAFA締め出し」が功を奏した

拡大
縮小

③出血キャンペーンを行い、導入のハードルを下げた
アリペイ、ウィーチャットともに、専用端末はなくても使用でき、手数料も現在は無料である。これにより、サービスを導入する小売店が急増した。3%前後の手数料がかかる日本のキャッシュレスサービスとは違い、多少損をしてでも自社サービスを普及させ、あくまで“ビッグデータで稼ぐ”という理念があるのだ。

とくに、2014~2016年ごろの市場導入期は、ユーザー、店舗それぞれに対して大規模なキャッシュバックキャンペーンを展開し、“ちから技”でアリペイ、ウィーチャットペイに人々を呼び込んだ。

日本では過去に「ペイペイ」が大規模キャンペーンを実施して話題となったが、あれはまさに中国の先行事例を意識したものだったといえるだろう。

ペイペイはインドのキャッシュレス決済サービス「Paytm」から技術提供を受けていて、「Paytm」はアリババから巨額の出資を受けている。ペイペイとアリババはいわば“孫とおじいちゃん”のような関係にあり、ビジネスモデルが酷似しているのもうなずける。

お金は「便利な道具」にしかすぎない

④お金が大好きな中国の国民性
私見だが、中国人のお金に対する価値観は、日本人とは少々異なるように感じる。中国人は、お金を単に便利な“道具の1つ”として見なしていて、変に神聖視しない。友人知人にものを頼むときや、もめ事が起きたときなど、お金を使ってライトに解決することも多い。投資好きで、日本人のように現金を大事に手元に置いておくようなことはあまりしないのである。

ウィーチャットペイが出現した当初も、個人間ですぐに“ご祝儀(紅包)”という機能を使って、数十元~数百元程度の少額のやり取りが生まれた。いわば、日本人が缶コーヒーをおごったり、LINEスタンプをプレゼントするような軽い感覚で、おひねりをやり取りしているのだ。

さらに、友人同士で物品を売買したり、代理購入を頼むのも普通だ。日本など海外旅行に行く友人に、コスパのいいコスメや健康食品を買ってきてもらうこともよくある。日本だとある程度仲のいい相手でないと引かれてしまいそうだが、中国人同士は融通無碍(ゆうずうむげ)だ。

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