「不法就労する外国人」激増させた日本の大失態 「300万円の罰金」国から請求された経営者も
前提を整理したい。日本学生支援機構の発表によると、2019年5月1日時点で留学生の数は31万2214人。ちなみにこの層は語学力も高いためコンビニなどで働くことが多い(そう、コンビニで複雑なオペレーションをこなせる外国人の方たちは“労働力”としての価値が非常に高い方たちなのだ)。次に厚生労働省の発表によると、2019年10月末時点で、技能実習生は38万3978人いる。
では、留学生や技能実習生は「建前」によってどう苦しんでいるのか。
まず、個人では日本の複雑な制度に対応できず、多くが現地のエージェントに高額な料金を支払って在留許可を取得することになる。さらに、留学生は「就労時間は週に28時間まで(夏休みなどは1日8時間まで拡大される)」という制約を課され、技能実習生は、実質、来日後に実習先を変えることはほぼ不可能、という状況に置かれる。
実習先が倒産した場合などに、複雑な手続きを経れば実習先を変えることはできるが、実質的には、来日後、どれだけハードな労働を課されても“転職”は不可能だ。
偽造カードのブラックマーケット
もし、こうした状況に直面したら、どうするのか? 話すのは、外国人労働問題に詳しい、ワンチェック株式会社の山田貴裕社長だ。
「留学生は偽名を使って2つ目のアルバイト先を探します。コンプライアンスが厳しいアルバイト先では本名で働き、地場の家族経営のような建築業者では偽名で働くのです」
より深刻なのは技能実習生だ。
「こちらは、年間なんと3%もの方が失踪します。失踪の理由は“労働が厳しすぎる”“もっと給与がいい仕事に誘われる”などさまざまです。38万人ですから、約1万人もいなくなっています。厳しい条件で働く技能実習生をそそのかし、別の会社に“売る”ブラックマーケットも存在するんですよ。
さらには、これらの外国人が身分を偽れるよう、ニセの在留者カードを製造・販売するマーケットまで形成されています。私はカードの製造元にも行きました。1枚2万円程度で取引されており、非常によくできています」
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