「生理前に別人になる妻」を支える43歳夫の献身 「喜怒哀楽の激しい人だな」と思っていたら…

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生理の前後は別人のようになる妻を「喜怒哀楽の激しい人だな」と思っていたけれど……(写真:fizkes/iStock)
バイエル薬品が制作し、婦人科などで配布している冊子(『生理前カラダの調子やココロの状態が揺らぐ方へ PMS 月経前症候群』)によると、約74%の女性が、月経前や月経中に身体や心の不調(月経随伴症状)を抱えているという。
月経随伴症状とは、月経前はPMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)、月経中は月経困難症と呼ばれる症状だが、日本ではまだあまり知られていない印象だ。
しかし、ホルモンバランスの変化により、精神状態や体調が変化することに気づき、悩んでいる女性は少なくない。
そこで、実際にPMSやPMDDに苦しむ女性の事例を紹介することで、PMSやPMDDについての理解を社会に広められたらと思う。

エネルギッシュで前向きな妻

関東在住、運送業界で働く那須大和さん(仮名、43歳)は、10年前に離婚し、当時6歳だった息子を引き取ったが、その後、1歳の息子を持つ8歳年下の女性と再婚。現在は妻と65歳の母親、3人の息子たちと暮らしている。

「お互い再婚同士だったので、家族が早く仲良くなれるようにと、妻が『キャンピングカーを買おう!』と提案しました。私は金額的に考えて、中型クラスを検討しましたが、妻は、『子どもが増えるかもしれないし、大は小を兼ねる! 私がその分働けばいいんだから!』と言い、最終的には予定より100万円も高額な大型のものを購入しました」

キャンピングカーが届いてからは、毎月のようにキャンプへ出掛けた。次第に家族の絆が深まり、楽しい思い出が増えていく。妻が三男を出産したあとも、1カ月経つか経たないかのうちに、三男を連れてキャンプへ繰り出した。

妻は、実家が経営する美容室で、両親や姉とともに働いている。

「つねに経営者側、従業員側、お客様側の目線になって、店をよくする方法を積極的に考えています。お客様からの指名も多く、年配の常連さんには『最後まで私の面倒を見てくださいね』なんて言われているようです」

エネルギッシュで周囲を巻き込み、引っ張っていく魅力を持つ妻に、那須さんは惹かれていた。

ところが、そんな妻との再婚生活は、順風満帆とは言えなかった。

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